第3話 街までの道のり

文字数 2,546文字

王都を出て次の街までのんびりと歩いていた。

次の街までそこそこに距離はある。

多分数日かかるだろうとは思っていたが、特に急ぐ理由もないからのんびりと行くことにした。

そういえば戦争終わらした時に魔物の管理だったり仕事の依頼とかを受け持つためにギルドを作ってたんだっけ?

まあそういった管理は他の人の仕事だから正直いって全然知らないんだけど。

異世界ならやっぱりギルドとかで登録して色々クエストやってみたいし登録するか。

テンプレといえばやはり強さ証明でやらかして俺何かが普通だけど私の目的は暗躍者。

あくまでも普通を求める。

そんなことを考えていたら

爺の腹の声「ぐぅ~」

というお腹の音が鳴った。

この世界には腕時計の代わり...いや前世の色々な便利道具の代わりに魔道具という魔力を通せば使えるものがある。

あっちの世界よりは使えるものは少ないけどそれでも魔力を通せば電気いらずは非常に便利だ。

爺「11時20分か。ちょっと早いが食べたいと言ってるんだし今食うのが一番だな」

というわけで昼飯のサンドウィッチ食べる。

爺「んー、やはり自分でつくるのが美味しい味付けにできるし栄養も考えれるし一番だな」

パンは美味いけど米も食いたいな。

異世界に米がないって言うのはよく聞く話だったけどあれは本当だったとはな〜。

爺「かあっ!この果実ジュースも美味い。やっぱりグレープが一番だな」

さっきから一番ばっかり言ってるな。

それぐらい一番優先できることをできているとは、やはり素晴らしいということなんだな。

そんなふうに思いながらただただ広い草原を見ていると、

タ「ぐぅぅぅぅがぁぁぁぁあ」

向こうのほうからこっちに向かって傷を負っているブラックタイガーが走っていた。

そしてそれを追っかけいる複数名の冒険者らしき人。

冒険者かな?

タ「がぉぉぉぉぉおーーーー!」

おっとこれは確か...仲間を呼ぶのかな?

若男「おっと爺さん、そのブラックタイガーは俺達の獲物だから邪魔しないでくれよ」

爺「別にそれはいいけど、お前さんら気をつけなはれよ」

若男1「おめえ、俺らのこと知らねえのか?ブラックタイガーごどき余裕に決まってんだろ」

そんなことを言ってると仲間の女の人の腕が思いっきりブラックタイガーに噛まれた。

若女1「ぎゃー!やめろ!離れろ!」

お淑やかそうな見た目とは裏腹に荒々しい声が出た。

そのを見た他の男三人はボーゼンとしていた。

若女1「早く助けなさいよ!」

若男2「あーごめん」

さっきの余裕はどこれやらというぐらい慌てて助けている。

ふっと笑ってしまった私に対して恥ずかしそうな顔をしている若男。

おっさん「はあっ!」

おっさんが若男より先にぶった斬り、

若女2「貫け。石の刃!」

そう言うと小さな石が複数個ブラックタイガーに貫通する。

するとブラックタイガーは倒れた。

若女1「はあ、はあ」

バツが悪そうにしていた、噛まれた女の人。

そして多分新たな性格が見えたのもあるけど、噛まれたことにすぐに助けに行かなかったこともありすんごいめちゃくちゃな重い空気になった。

若男1「そもそもこいつがこんなところで飯食ってるせいで俺らも油断しちまったんだ」

若男2「そうだそうだ、こいつが悪い」

おっさん「そうだな、こいつのせいだ。というわけで爺さんよぉ、詫びとして俺らに何かくれないかな?」

こじ付けなうえに責任を問われ、詫びとして何か置いていけというくそ暴論にただただ驚いた。

若女2「暴論だなあ」

と言いながら特に何もしようとしない。

若女1「あんたたちも悪いんだからね!」

『も』じゃねえよ、こいつらが100悪いわ。

そんなことを思っていると

タ「ぐるるるるる」

新しいブラックタイガーが現れた。

おっと電気を帯びている。

こりゃやばいな。

若男2「獲物がホイホイ来やがった。おいシェラそいつの近くにいろよ」

シェラ「はいはーい」

なぜか私の近くにくるシェラ。

多分二択。

私を守ってくれるのか。私が逃げないように包囲しているのか。

ブラックタイガーが電気攻撃を溜めている。

若男1「なんだ、この攻撃!」

爺「ウッドウォール」

木の壁を設置したら近くに居た女の人が一緒に入っていた。

爺「なんで入ってくんだ」

シ「あんたが勝手に入れたんでしょうが!」

すると凄まじい雷の音が響いた。

シ「何この音!」

爺「あいつら生きてるかねえ」

木の壁を解き放つと四人は感電死していた。

こりゃ仲間か恋人かは知らないけど殺されたから復讐なんだろうな。

まあでもそりゃそうだよな。こいつは仲間を殺されたんだから普通か。

シ「やばいってこれ」

爺「あの力は確かどんな個体でも9割の魔力の力を使う技だから多分大丈夫だけど」

シ「そうなの?じゃあ今のうちに...」

そう言いながらシェラはブラックタイガーを殺そうとしていた。

でも私的には

爺「いやこういうのってお前さんが死んだ方が面白い展開が起きそうだから死んでくれ」

シ「え?」

シェラがこちらに振り返る前に首と体が飛んだ。

ブラタイはそれを見て驚いたのか少し目を見開いていた。

爺「お前さんはどうしたい?」

別にこちらに戦意はないので特に敵意は出さなかった。

ブラタイはそれを察したのか特に何もしてこずに後ろの仲間の死体に近づいた。

さあここからどうするのか、それがとても気になるな。

すると私の方に近づいてきて地面に向かって足で叩いた。

爺「掘れってことか?」

ということで地面を掘ってあげた。

ここほれタイガーみたいなことにはならなかったけど掘った穴に死んだ仲間を入れた。

こういったやり方魔物もやるのかあと関心した、

そしてブラタイはそこに土を入れて近くにあった石を地面に刺した。

なんかアメリカ式は知らんのだけどとりあえず合唱しとくか。

こういうのは心って言うし、通じればなんでもいいだろ。

そうしてブラックタイガーはどっかに行った。

なんだか新鮮なところも見れたし、こう言う展開っていつか助けに来てくれそうだし、結果的に良かったでしょ。

そういえば忘れてた。

討伐報酬ってことでこいつら何持ってんのかな?

漁ってみたが全然良いものが見つからない。

冒険者カードとそこそこの魔道具があった。

とりあえず金目になりそうなものと冒険者カードだけを取っておいた。

見たこともない魔道具まで貰えたからこれがどんな効果が発揮されるのか楽しみになりつつ、街へ向かった
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登場人物紹介

主人公 シュテル・シャルロット

この世界の魔王。

前世では会社を一代で築き上げて世界資産ランク100に入るほどのお金持ち。

人間の嫌なところばかり見てきた故か洞察力だけは異常に高い。

この世界では約800年を費やして人間・魔人大戦を終わらしてその後は魔王として魔族領の復興、生産力などを高めた。

その後は暗躍者として活躍するために世界に旅に出る。

ちょっとだけ頭おかしい

魔王の秘書 ルル

シュテル・シャルロットに1000年以上支えてきた秘書。

魔王を敬愛しているために魔王を辞めたと言われた時はどんな手を使っても捕まようとするヤンデレタイプ。でも根は優しい。

魔王体制崩壊後の臨時で一番偉い立場に就く。

(もちろん強制)

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