第4話 兵士から事件を聞く

文字数 3,361文字

旅のお供として音楽って合ったほうがいいよね。

しかし音楽をどこでも聞けるってすごいよな。まあ録音自体はそんなに難しくないからどっかに魔道具てして売ってそうだけど。

まあでも音楽をしながらのんびりする吟遊詩人系もいいな。

どっかのタイミングでやってみようかな。あっでも歌上手くないわ。

のんびり歩きながら色々と妄想を膨らましていると向こうから馬に乗ってる兵士がいた。

そして私の前で止まり降りると

?「爺さん、ちょっといいかな」

兵士のような格好をした二人組に止められた。

爺「なんですかな?」

二人とも人間かな?さっきの五人組も全員人間だったし色々な種族が交わっていてももう普通なんだな。

兵1「こっち方面に誰か人が来なかったか?」

一人目の兵士は顔が結構整っていて、髪は赤色のいかにも爽やかイケメンって感じの人だった。

誰かねえ。あの人たち冒険者のことかな。

いやあれは死体だから違うか。

爺「誰も来てませんよ」

兵1「そうか、となるとこっち方面に逃げた訳ではないのかな」

兵2「こいつがあいつらの味方だった場合、逃がしてるかもしれませんよ」

こっちの兵士は黒髪で顔は整っているが鍛えているのか顔から何故か筋肉が見えた。

兵1「いや、それはないだろう。この爺さんなら今頃俺たちを殺しているぐらい強い」

そうして兵士がこっちを向いて

兵1「そうですよね?爺さん」

爺「なんのことだかさっぱりなんだが」

兵1「まあ事情説明してないんだし知らないよな。すまない。そういえば爺さん、この先のロングリン街に向かってるんだろ。俺の後ろに乗るといい。そこで色々と説明するよ」

別に急いでるわけじゃないしのんびりが目的だけどなんか事件?発生しているらしいし素直に従うか。

それにこの人、やばいぐらい強いし。こんなところでなんで兵士をやってるのかも疑問だしな。

爺「ではではお言葉に甘えて乗らしてくださいな」

兵2「よかったな爺さん。そこに乗れたことはこれから自慢できるぞ!」

爺「はあ、そうですか。で何があったんですかな?」

兵1「実はですね、今人攫いが起きてるんですよ」

爺「物騒ですねえ」

兵1「しかもそれが何件も続いていて、本当に参っちゃいますよ」

爺「目撃者とかはいないんですか?」

兵1「困ったことにそれが今回一番の問題なんだ。実は目撃者が全員拉致されて売り飛ばされるっていう情報が入ったんだ」

爺「へえ」

兵2「それに何故か毎回いきなり姿を消すんですよね。だから大勢に見つからずに何か不祥事があれば拉致といったやり方なんだよ」

爺「へえ、というかそれ私に伝えていいんですか?」

兵1「もし爺さんがそっち側の人だとしてもこんな情報があっちに聞かれたところでどうでもいいですからね」

爺「まあ別にどっちの側でもないのでなんでもいいんですけど」

そうして私たちは街へ向かった。

爺「へえ、この街を仕切ってる貴族の衛兵なんですね」

兵1「そうそう、俺らはいつもは街を見回っているんだけど今はちょっと自体が自体だからな」

爺「大変ですね」

兵1「そうなんだよ。いっつも俺が来るまでに何故か逃げられているから姿、形を見たこともないんだよ。少しでもわかれば探せるんだけどな〜」

兵2「我々の居場所が常にバレているかのような犯行が困っちまうんだよ」

爺「大変ですね」

今回の事件について多少話していたら街が見えた。

爺「おーあれがロングリン街ですか」

兵1「そうだ。そういえば爺さんって何者なんだ?」

爺「私か?まあただの旅人さ」

兵1「ただの旅人にしては随分とおかしいぐらい強そうですけど」

爺「それを言うのは野暮では?そしたら何故あなたはこんなところで働いているのだか」

兵1「俺は好きなやつがここに住んでるからいるだけだぞ」

随分とあっさり言われるのすごい困るんだけど。

てきとうに話していたら街に着いたのでここで降ろしてもらった。

兵1「では俺らは引き続き調査を行う」

兵2「またな爺さん、そういえば爺さんって名前なんだ?」

爺「わしか?」

名前まじで考えてなかったな。

どうしようか...まあ

爺「カルゼルだ、お二人さんのお名前は?」

兵1「俺はラツカだ」

兵2「俺はアサハカだ」

ラ「あんだけ話したのにお互いの名前さえ聞けてなかったとはな」

この世界はあんまり氏名は名乗らない。

なぜわたしは急にそんなことを言いたくなったのか?

それはさておき、人攫いに関してはもう少し探ってみるか。

人攫いが行われているこの街で裏で活躍し暗躍する者の登場により一気に解決!しかしその正体は誰も知らない。

この街の歴史として、いやもしかしたら守り神が現れたという噂を流せば永遠に残る…良い。良いぞこれ。

とりあえず人攫いなんてどうせ夜に起こることなんだし、今は冒険者ギルドにでも行ってみるかー。

冒険者ギルドに入ると中には、魔族が多く人間が少ない…いやいないのかな?

戦争が終わって国境が開いたといえど住みやす さ的にどうしてもこうなちゃうんだよな。

しかしここも空気は最悪すぎて最高だ。

荒れ狂うギルドってまさに異世界のテンプレ...おっふ最高すぎる。

爺がギルドに入ってきていきなり手を上げて満面の笑みをしているため周りからやばい奴として見られているかもしれないがまあいっか。

とりあえずまずは登録からだな。

爺「すいませ〜ん」

職員「なんですか?」

随分と態度が悪そうな職員が出てきた。

爺「実はギルドに登録したいのですが...」

職「あー初期登録ですか、めんどくさ」

やる気のなさをまるで隠す気がない職員。

職「ではこちらに血を流してください。そしてここに手を置いて。後の説明はこの紙に書いてあるから結果とはそれ見て」

爺「...」

ギルド職員ってもっと優しいイメージがあったんだけど実際はこんなんだったのか。

そして私は血を流して、手を魔道具に置いた。もちろんつえーをしたいわけではないので力を抑えて。

終わったのか職員がカードを出してきて魔道具の上に置いた。すると光が出てきておそらく発行できた。

職「最初はGランクスタートです。クエストはあそこからなので」

最初から最後まで感じ悪いやつだなー。

そんなことを思いクエストの方を除くと

?「よう爺さん。お前今初登録したみてえだな」

堅いが良くいかにもチンピラのような感じの人たちが喋りかけてきた。

チンピラ1「最近じゃ初期登録なのに強いやつとかがいるからお前さんもその類かと思ったが」

爺「私はこれまで仕事だけをして生きてきたからな」

嘘は言ってない。っていうか初期登録で強いやつとか異世界系のテンプレを他にも、しかも何人もしている人いるのかよ。

爺「で、なんのようじゃ?」

チ2「新人って言うのはなあ?」

きたきた!異世界テンプレ、チンピラの新人八つ当たり!

チ2「ちゃんと先輩からクエストを選ぶ時のコツとか割りの良い緊急クエストはどんな時に出るとかしっかり聞かなくちゃダメでしょうが!」

え?

チ3「そうだぜ、爺さん。見た感じあんた人間っぽいから魔力とかもエルフの俺らと比べたら色々と不利なはずだしな。最初の方は俺たちと一緒にサポートしていかないと命を落としてしまうかもしれないじゃないか」

なんか...想像してたのと違う。

チ1「つーわけでまずはクエストからだな」

そんなわけで私はチンピラ四人からお話しを聞いた。

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爺「これはこれは丁寧にありがとうございます」

チ1「他に何か質問はねえか?」

爺「そうですねえ、あっギルドとは関係ないんですけど最近人攫いが多発してるらしいじゃないですか」

チ3「ありゃ許せんよな」

爺「それで何かしらの情報とかって」

チ1「あーあの事件か。っと言っても大した情報はねえぞ。昼夜関係なく人目がつかなければ子供が誘拐されるってぐらいだな」

昼夜関係ないのか。

チ2「たしか目撃者は殺されるだったな。相当な手だれなんだろうな」

チ3「本当になー、この街の安全のためにも子供のためにも頑張って早く解決しなくちゃな!」

チ1「だな!ラツルさんも今頑張って探しているみたいだし犯人の特徴さえ掴まれればいいのにな」

おーあの人有名人なのかな?

爺「とりあえずありがとうございました〜」

なんか根が良い人だったな。

そう思いながらギルドを出た。

ギルドって想像とは真逆だったとは。いやまあ実態は同じだろうけどさ。

爺「なんだかもやもやするな」
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登場人物紹介

主人公 シュテル・シャルロット

この世界の魔王。

前世では会社を一代で築き上げて世界資産ランク100に入るほどのお金持ち。

人間の嫌なところばかり見てきた故か洞察力だけは異常に高い。

この世界では約800年を費やして人間・魔人大戦を終わらしてその後は魔王として魔族領の復興、生産力などを高めた。

その後は暗躍者として活躍するために世界に旅に出る。

ちょっとだけ頭おかしい

魔王の秘書 ルル

シュテル・シャルロットに1000年以上支えてきた秘書。

魔王を敬愛しているために魔王を辞めたと言われた時はどんな手を使っても捕まようとするヤンデレタイプ。でも根は優しい。

魔王体制崩壊後の臨時で一番偉い立場に就く。

(もちろん強制)

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