喫茶センチメンタル
文字数 4,416文字
~数分後~
ん~~、どっちも微妙だな・・・
ハンバーガーショップの方はまだできたばっかりといった感じでいいのだが、店の中は客でごった返していて落ち着いて食べ物が食えなさそうだ。
向かいのカフェの方はいかにもザ・老舗といった感じで外観が古めかしく看板の電気も切れかけていてあまり綺麗な感じではなさそうだ。
まあハンバーガーショップと比べれば客も少なそうだし、外観で店の雰囲気を決めてしまうのも悪いしな
店には客が2、3人くらいで、酒やナポリタンを食べていた。
店内はシックな雰囲気で外観とはまたガラッと変わってかなりおしゃれである。
そして一番目を引くのは店のカウンターの奥にドスンと置いてあるレコードプレイヤー。
そこからは店のbgmとして俺好みのジャズが流れいてた。
カッコつけて口笛を吹きたくなる、どうやら入った店は当たりだったようだ。
すると店の店員か、同年代くらいの可愛らしい小柄な女性がこちらに近づいてきた
さっきの一言が嬉しかったのか店員は満面の笑顔でそういうと店のカウンターの奥に戻っていった
あの女性がそんなに気に入りましたか?
ですね
すると入り口の扉がドンッと勢いよく開いた
いきなり店に入ってきたガラの悪い客は謎のセリフを言い放つと女店員の腕をつかみ銃を頭に押し付けた
銃を天井に向けてバンバンと2発、威嚇しているのだろう
あいにく俺以外の客は全員女だったためキャーと叫びながら外に逃げていった
めんどくさいことに巻き込まれるのはごめんです。
早く逃げましょう
今の状況を考えてください!!!
早く!!
あ~~~~、もうっ!!!
バキュンッ!!!
バンッ、バンッ!!
カスッ、カスッ、カスッ
アゼルは男のパンチをするりと流れるようにかわし、顔面にパンチを一発くれてやった
ことが終るとアゼルは目をギュッと瞑ってぶるぶると震えている女店員に駆け寄った
窓や電球が割れ暗くなった店内にはレコードプレイヤーからジャズが静かに流れ始める
私はいい思い出はあんまりないから、人生の半分以上が嫌な思い出
お金がないだけで生きていくのがどんなにつらいか・・・
だからまっさらな人生をこれから始められるのっていいなって
それに私は生まれた時からずっとここ、旅行に行くお金もないから。
世界がどんなのか、どれだけ広いのか、いつか見てみるのが私の夢なの。
この狭い世界から、少しでも広いところへ、行ってみたいの
ピィ~~ンとコインを飛ばし、手の甲でキャッチした
アゼル様、お話し中失礼しますがジェリコのオーバーホールが完了したとバップから連絡が入りました。
店を出る前にアゼルはスマートデバイスで一枚チサトの写真を撮っていった
つづく・・・