(二)-9

文字数 221文字

 郁美の家の敷地にはブロック塀が建っていた。しかし下の方には穴の空いたブロックが一定間隔で並べられていた。そのため、愛希子の位置からだとちょうど目線の高さにその穴があり、敷地内をのぞき見ることができた。
 すぐ手前に桜の木が見えたが、その向こう側に人影のようなものも見えた。もちろん暗くてそれが人なのかどうかはわからなかった。
 じっと見つめていると、黒い影は動いていた。そこで何かしているようだった。そのときに、音が出ているようだった。

(続く)
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