(二)-8
文字数 249文字
その桜の木の近くを通り過ぎようとしたとき、音がした。何の音か、愛希子にはわからなかった。地面を踏む音というか、砂利を踏む音のようなもの音が聞こえた。愛希子は立ち止まり耳を澄ませてみた。もしも後ろから人が尾行してくるのであれば、無音のハズだ。道路の路面はアスファルトなのだから、音が鳴るはずがなかった。
しかし耳を澄ませてみるとリズミカルにザクッ、という音が聞こえた。それが、ほぼ一定間隔でザクッ、ザクッ、と鳴っていた。音の位置は、どうやら郁美の家の敷地の方から聞こえているような気がした。
(続く)
しかし耳を澄ませてみるとリズミカルにザクッ、という音が聞こえた。それが、ほぼ一定間隔でザクッ、ザクッ、と鳴っていた。音の位置は、どうやら郁美の家の敷地の方から聞こえているような気がした。
(続く)