第５話

大也が険しい顔で見つめるとドアが開いた。

大也が無言で中に入るとドアが閉まった。

「……」

険しい顔で大也が正面を見つめると声が聞こえた。

「玄関からまっすぐ歩け」

「……」

大也は玄関からまっすぐ歩き寝室の前に着いた。

ドアが開き大也は中に入った。

ドアが閉まり大也は玄斗に目を向けその後、ベッドに座っている光に目を向けた。

玄斗が口を開いた。

「紫を助けるためにやっぱり来たね」

「紫はどこ？」

「紫はいないよ」

「やっぱり罠か」

「罠だとわかっていて来たのか」

「玄斗、お前を助けたくて来たんだ」

「俺を助けるだと」

「……」

真剣な顔で頷くと大也と玄斗は見つめ合った。

「笑えるな」

ベッドに座っている光が口にすると大也と玄斗は光を見つめた。

光はベッドから立ち上がり指を鳴らした。

すると床から赤い蔓が現れ大也の左右の足首と左右の手首に巻きついた。

大也は赤い蔓を外そうともがいた。

「無駄だ、その蔓は簡単に外れない」

光は大也に近づき顎を掴み唇を重ねた。

その後、光が唇を離すと大也は立ったまま気を失った。

「大也は俺のものだ勝手に手を出すな」

怒った口調で玄斗が口にすると光が口を開いた。

「玄斗が手に入れたサファイアとアゲートとトパーズ、俺が貰うよ」

「何だと」

「玄斗、お前が手に入れたサファイアとアゲートとトパーズとお前のロードクロサイト、俺がいただく」

狭い寝室の中で光は赤い矢を向けながら玄斗に近づいた。

ロードクロサイトは玄斗を守ろうとピンクの光を放ちながら寝室から姿を消した。

「逃げたか」

赤い矢を消すと光は立ったまま気を失っている大也を見つめ微笑んだ。

ロードクロサイトに救われた玄斗は森林の中で倒れた。

ロードクロサイトは玄斗から離れ宙に浮いたまま玄斗に向かってピンクの光を放った。

すると玄斗からサファイアとアゲートとトパーズが宙に浮いたまま現れた。

ロードクロサイトとサファイアとアゲートとトパーズは宙に浮いたままピンク、青、茶色、黄色の光を放ちその後、ピンク、青、茶色、黄色の光はひとつになった。

そして影玄と紫が現れた。

「紫！どうしてここに！」

「影玄こそ」

影玄と紫が驚いた顔で見つめ合うとひとつになったロードクロサイトとサファイアとアゲートとトパーズが赤い蔓に捕まっている大也と光の姿を見せた。

影玄と紫は驚いた。

「大也！」

「やっぱり罠だったか」

影玄が口にすると紫が影玄に向かって口を開いた。

「影玄、説明しろ」

「お前を助けると言って玄斗の家に…」

言いかけた影玄は倒れている玄斗に築き口を開いた。

「何で玄斗がいるんだ！」

「……」

影玄と紫は倒れている玄斗を見つめた。

その頃、大也は赤い蔓から解放されベッドに仰向けで眠っていた。

光はベッドに座り大也の首に身に着けているダイヤモンドに触れた。

その時、光はダイヤモンドに拒まれ光は手に怪我をした。

「……」

微笑むと光はベッドから立ち上がり寝室から出ていった。

その直後、ダイヤモンドは銀の光で眠る大也を包んだ。