期待と憧憬

文字数 229文字

ありえない奇跡を 待ちわびて

腹の底から沸き上がるのは

心地好く身の内を擽る 無数のちいちゃな願望の泡の粒

それらは水面に出てしまえば

パチパチと 儚い音を立て

忽ち消えてしまうのを 私は知ってる

それでも私は 湧き出る(あぶく)を止められず

消えても(いず)るそれらを抱えて

昇る心地に酔いしれながら それらが

いつか玉成り空舞って

チラチラと 照る(こう)を返して

柔くも高く浮かんでいくのを 私は夢想せずにはいられない
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