左耳
文字数 478文字
先生の胸を触る。
静まり返った教室の空気が固く張り詰めている。異様な緊張感だ。そこに観葉植物が置いてあったなら、その緊張感にシオシオと枯れてしまうに違いない。
跳ね除けるか、逃げるか、受け入れるか、どうするのかと思ったが、そんなのはどうだってよくなってきた。逃げたとして、立ち向かったとして、起こったことを消せないからだ。
じっと我慢をしている。手は上着とシャツの隙間の隙間を通って奥に伸びた。手が自由に動き回る。体温を感じて、お互いが温度の違いをそこで知ることになる。人の体温は暖かい。その暖かさに侵入されると、芯を溶かされる。争うということを、何か無駄なことだと感じてくる。だけど、先生は抵抗しないわけにはいかない。
「やめなさい!」
声で緊張感に固まった空気が裂けた。その裂け目が冷たい。周囲を注目する。
「先生、すいません。つい、先生の煙草を分けてもらおうと・・」
「私は煙草なんて吸いません!そもそも君は煙草吸っちゃダメでしょ!っていうか、そんな言い訳通用しません。君は白昼堂々と、みんながいる教室で私の胸触ってきたのよ。この変態!即退学よ!」
静まり返った教室の空気が固く張り詰めている。異様な緊張感だ。そこに観葉植物が置いてあったなら、その緊張感にシオシオと枯れてしまうに違いない。
跳ね除けるか、逃げるか、受け入れるか、どうするのかと思ったが、そんなのはどうだってよくなってきた。逃げたとして、立ち向かったとして、起こったことを消せないからだ。
じっと我慢をしている。手は上着とシャツの隙間の隙間を通って奥に伸びた。手が自由に動き回る。体温を感じて、お互いが温度の違いをそこで知ることになる。人の体温は暖かい。その暖かさに侵入されると、芯を溶かされる。争うということを、何か無駄なことだと感じてくる。だけど、先生は抵抗しないわけにはいかない。
「やめなさい!」
声で緊張感に固まった空気が裂けた。その裂け目が冷たい。周囲を注目する。
「先生、すいません。つい、先生の煙草を分けてもらおうと・・」
「私は煙草なんて吸いません!そもそも君は煙草吸っちゃダメでしょ!っていうか、そんな言い訳通用しません。君は白昼堂々と、みんながいる教室で私の胸触ってきたのよ。この変態!即退学よ!」