第4話生と死

文字数 1,885文字

随分ダイレクトなタイトルになったが、最近こんなことを考えた。
死んでいく、ということは、きちんと親兄弟、その子などが揃っていれば、順番通り死んでいくのがルールだし、どこまでも極論すれば、普通に生きているのだったら、これさえ人間は守ればいい。
人間は必ず死ぬし、火の鳥宇宙編のように死ねなくなるほうがホラーだと思う。
昔は、随分苦しんで逝く人が多かったし、死に対し、必要以上の恐怖を抱く人がいるのも無理からぬが、そんなに恐れているほうが、自分に疫学上良くないし、他者に対しても、罪作りなくらい不安を煽り立てる。不安を煽り立てるより、むしろお医者さんたちが学校でしっかり習うこと、現場で実践することは、多少リスクはあっても、あまり脅しすぎない、安心をより与えることだと思っている。
だから、順番通り死んでいけばよい。

ところが、またルソーのエミール(確か中巻か下巻です)から引いてくると、親は、子が自分より先に死んでいくのを防ごうとするが、それは無理である、とある。確かに、子を亡くした親は悲しい。けれど、不慮の事故だってあるし、子が大病を患うこともあるのだ。その場合、どうしたって不可抗力にしか思えない。これは、私が、自分より年少者が死んでいい、と言いたいのでなく、防ぎようのない場合もある、と言いたい。やっぱり逆縁はないほうが幸せだ。

私は97年のパティ・スミスのアルバムにあった曲から覚えたが、メメント・モリという死生観があるそうだ。どこの民族が、どう微細にこの死生観を定義しているか、は、ちょっとウィキペディア引いてくればいいだけなのに、リサーチ不足で知らないが、この大まかな概念とは、生きながらに死を思う、ことなのだそうだ。
ここで思うが、若くして大病したり、瀕死の目にあったり、年齢で今しも死が迫りつつある人などには、他民族である日本人にも、このことを認識している人が多いのではないか。
大学の先生は、ハイデガーは、深いと同時に不快なんだよ、人間は、毎日段々死に向かっている、なんて、そんなことはお前に言われなくてもわかってる、と酒の席で半分くらいふざけておっしゃっていた。先生も、もうそれから20年以上経つから、また違った考えに至っておられると思うが、どうやら、先述のよう、ダイハードな生活を送ればたくさんの人が認識していることなようだ。

私は、4年前にガンをやって、初期だったが
さすがに思い詰めて、甥っ子から誤着信があって、かけ直した時は、死にたくない、と泣いてしまった。24歳の頃は、音楽仲間がいなくなって、絶望し、やり直す気力も失っていると、俺なんかいつ死んでもいいや、と思っていたくせに、いざ直面すると、悲しいのだ。弟の子供達、なんて大事な存在が出来てからは、どうやら私も自分が失われてしまうのは怖いらしい。じゃあタバコやめろよ!と弟が心配して声をかけてくれたが、うーん、業のようなものだろうか、やはりタバコは好きだ。

だからといって、私が長生きしない、と決めつけたもんでもなく、金にならん音楽に加えて、ここ数年で、金にならん文章も書き出した。そんなにたくさんの方に読んでもらえてもないけれど、こんな風に、ちゃんと生きがいを持っていれば、以外と生命力があるんじゃないか、と思う。これまた私が決められないことだが(私の生き死にを)。

順番はきちんと守らないと、ルール上よくないし、年長者も悲しむ。だけど、予測もつかない。馬券のように、オッズが低いのに賭けても外す(笑)。大穴だったらもっと外す(笑)。

こんなことを踏まえて、じゃあ、あなたはどう生きますか?と問われれば、日一日を一生懸命過ごすしかない。とはいえ、最近、精神療法で、未来への願望、を問われ(ノートに書いたのだが)、思いっきり実現不可能なことまで書いてみた(笑)。書くだけなら自由だから。それに、夢見がちなことは、本音では、思っていない。自分の分相応なところで
、やれそうな小さな目標を立て、毎日励む、これしか実現可能なことはない。十項目以上書き連ねたけれど、
①分相応
②一生懸命
だけだ、本当に言いたかったのは。レディオヘッドが、kidA以降、どんなライブをしていたのだろう?とユーチューブで見て、まあ、かっこよかったが、この、さいたまスーパーアリーナだとかは、自分の分じゃないな、と感じた。だから、小さなところでも、一生懸命作っていって、練習して、やれるところまでやっていけば、それでいいと思っています。それで、きっちり、順番通り死んでいければ。そういえば、天ぷらと天つゆの匂いって、たまらないですね!いつか食べよう。
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