文字数 574文字

翌日
到着っと。

あれ、あそこにいるのは……。
……
こんにちはー
っ!?

なにやつ!!
あぶなっ!?

ヤリで前髪が……
お姉ちゃん、曲者だよー!

ネエネエー! おねえー!

俺ですよ、俺!

出前のひなたやです!
……なんだ、件の飯屋か。

ええい、この大変なときにまぎわらしい!
大丈夫ですか、リャンリャン。

……おや、オムライスさんではないですか。
ああ、びっくりした。
あやうく首が飛んでいくところだった。

なるほど、それは災難でしたね。
しかしリャンリャンの突きをかわすとは、オムライスさんもなかなかの腕前。
ここで修行していくか?
私が相手をしてやるぞ。
結構です。

それから、俺の名前はオムライスではありません。
ジンイチロウです。
話はパヤッタから聞いています。
誕生日のお祝いに、わざわざ異世界から駆けつけてくれたのですね。

どうぞ中へ。
ふたりは一緒に来ないんですか?
誕生日パーティーなのに。
このところ、天空神殿に侵入しようとする輩が増えてきてな。
私もネエネエも警護で忙しいのだ。
人間と魔族の戦いも、日に日に激しくなっています。
どちらの陣営も、パヤッタの体に封印された召喚獣を狙っているのです。

力を得るにふさわしくない者を、この天空神殿に近づけるわけにはいきません。
(魔族……召喚獣……本当にゲームみたいな世界だな)
では、私たちはこれで。
こんど一緒に修行しような、ジンイチロー。
しないってば
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登場人物紹介

名前:日向屋迅一郎(ひなたや じんいちろう)

 東京下町にある大衆食堂『ひなたや』の四代目。
 日中はお店で働き、夕方からは定時制高校に通っている。

名前:パヤッタ

 異世界の賢者さま。
 その小さな体に、多くの召喚獣を封印している。

名前:ネエネエ

 パヤッタが暮らしている神殿の門番。
 面倒見がいいけど怒ると怖い。

名前:リャンリャン

 パヤッタが暮らしている神殿の門番。
 喧嘩っ早いけれどお姉ちゃんっ子。

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