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文字数 412文字
迅一郎は空になったお皿をおかもちにいれて、パヤッタに背を向けた。
元の世界に戻る呪文を唱えると、視界が光に包まれた。
迅一郎は幼いころ、子猫を拾って帰ったことがある。
そのとき両親に、きつく教えられたのだった。
人間の餌やぬくもりを与えてしまっては、子猫は野生で生きていくことが出来なくなってしまう。
子猫の一生に責任を持つことが出来ないのであれば、中途半端に優しくしてはならないのだと。