なんなら、お前も
文字数 894文字
見れば、権利書の一番下には優美な筆致で「高瀬瑠々菜」とある。
素直で騙されやすい圭一も、さすがにこれにはおかしいと気がついた。
ケロリとした顔で答え、意次が権利書を取り返す。
悔し紛れを呟く圭一に、しかし、返ってきたのは意外にも不敵な口調の言葉だった。
目を輝かせて力説するその様はまさしくスケベ大魔神の真骨頂。
呆れる圭一。
呆れる圭一。
しかし、ふと、「コイツの言うことももっともかもしれない」という思いがよぎった。
高瀬瑠々菜とHをする権利――そんな紙が自分の胸ポケットに入っていたらと考える。
いや、間違いない。
再び脳裏に先ほどの妄想が甦る。
再び脳裏に先ほどの妄想が甦る。
クラスで一番の美少女に、あんなことや、こんなことをして貰える権利――たとえ妄想にすぎないにしても、その妄想が権利書の形をとっただけで、妙に迫力といやらしさを増すではないか。
下らないかもしれないが、これは確かにロマンだ!
下らないかもしれないが、これは確かにロマンだ!