#4-4 菊地 真帆

文字数 1,899文字

菊地 真帆(きくち まほ)
3年B組。18歳。O型。
身長155センチ。
家族構成:父・母・兄

 私は瑛莉華(えりか)のことがスキだと確信して、自分がそういう性的嗜好(せいてきしこう)なんだと知ったら、今までの自分が()に落ちた。
瑛莉華とは変わらず友達で仲良くしていた。彼女だけが私の秘密を知っていて誰も言わないでいてくれた。
 ある日、何気のない会話の中で、進路の件で両親とケンカしてしまい家に帰りたくないと言うと
「瑛莉華んちにお泊りする?今日智也バイトだし」
と、誘ってくれた。瑛莉華の家にはよく行っていたので、彼女の言葉に甘えてまた泊まらせてもらうことにした。
 放課後は2人でファストフードに行っておしゃべりして、日が落ち始めた頃瑛莉華の家に行った。瑛莉華のお母さんが作りおいてくれていたビーフシチューをレンジで温めて、ご飯を炊いて2人で食べた。
夜も更けてそれぞれお風呂に入って、また瑛莉華の部屋でおしゃべりを始める。
いつも智也(ともや)に独占されている瑛莉華を今日は独り占めできているようで、嬉しくて楽しかった。

 そろそろ寝ようかという事になり瑛莉華の大きなベッドに2人で寝ころんだ。
布団に入ってもまだおしゃべりは続いていた。
お互い横向きになって向き合って、たわいもない会話は続いた。ノーメイクで艶々の肌の瑛莉華もかわいくて見とれてしまう。
「真帆にしか言えないんだけど、聞いてくれる?」
瑛莉華は少し悲し気な表情を浮かべて話し出した。
「うん。もちろんだよ。何でも話して」
(しのぶ)が……智也に気があるっぽいんだ」
親友の忍についてだが、初耳だった私は聞き返した。
「まさか、だって草太と付き合ってるじゃん」
「草太と付き合う前、智也といいかんじだったみたい」
「え?聞いたことないよ?」
「うん、でも、ある人から聞いちゃってさ」
そう言って瑛莉華は大きな目に涙を貯めた。
瑛莉華が顔の前に置いている手を、向き合っている私は握った。
「心配しないで大丈夫だよ、きっと。それに私が見張っといてあげるから」
私と忍と智也は同じクラスなので瑛莉華を励ましたくてそう言った。
すると瑛莉華は笑顔で
「ありがとう、真帆は優しいね。瑛莉華、真帆の事も大好き。ギュってしていい?」
と、瑛莉華は聞いたが私は断るはずもなくうなずいた。大好きな瑛莉華に抱きしめらるなんて夢のようだった。それと同時にもっと瑛莉華を抱きしめて、もっと強い何かが欲しくなって、気分が高揚して鼓動が激しくなった。
 瑛莉華は起き上がってTシャツをサッと脱いでパンティだけの姿になった。キレイな身体を(あらわ)にし上半身をひねって寝転がったままの私の方を見て
「真帆、イチャイチャしよ?」
と、言って微笑んで、硬直したまま布団の中にいる私の横にまた寝ころんだ。さっきより近くで向き合って、瑛莉華は右手で私の左頬に優しく触れながらウットリとした瞳で私を見ていた。その艶めかしさと少し動いただけで瑛莉華の肌に触れそうで興奮が押さえられなかった私は思わず聞いた。
「浮気じゃないの?いいの?」
「セックスじゃないよ、女の子とどうやってヤるのかわからないし。仲良しの(あかし)だよ」
私はその言葉で理性を失って服を脱ぎ、見事なスタイルの瑛莉華に勢いよく抱きついてキスをした。彼女も私の唇を受け止めてくれた。
 抱きしめあって素肌と素肌が触れ合うと彼女の肌は柔らかくて滑らかでキモチよかった。自分でも自分がどうしてしまったのかわからないくらい熱狂した私は自分を制御できず、瑛莉華の身体中に触れ、口をつけた。瑛莉華は小さくかわいい声をあげて、私の行為に喜んでくれている。
「真帆、瑛莉華の身体スキ?」
「身体だけじゃないよ、全部スキ」
息を切らした私達は一旦その行為を止めた。
「真帆、自分でしていいよ。おいで」
と、瑛莉華は言って自分の左腕を広げ、更に高揚した私はそこに頭を乗せて横向きになった瑛莉華の胸に左手を添えて口をつけて、右手を下に伸ばし、いつだったかネットで見た行為を見よう見まねで試した。瑛莉華は私のことを包むように抱きしめ、右手では蒸気した私の頭を撫でてくれていた。そして「瑛莉華もキモチいいよ。」と、優しくつぶやきながら色っぽい声を漏らしていた。
私の中から沸き上がった情熱はあっという間に脳天まで達し、瑛莉華の胸に抱かれて初めての絶頂を迎えた。
「真帆、かわいい」
瑛莉華はチカラの抜けた私を抱きしめて頭を撫でながらキスをしてくれた。
そして「キモチよかった?」と聞き、恥ずかしい私は無言でうなずくとまた瑛莉華は私の唇に自分の唇を合わせた。瑛莉華の厚くて柔らかい唇はキモチ良くてまた我を忘れそうだった。
また瑛莉華を味わいたい。
瑛莉華の絶頂も見てみたい。
私は貪欲になっていった。
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