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文字数 481文字
私は、怪人ワースレイ。
人々の記憶を食べて生き永らえている。
たまに間違えて食べてしまい、ド忘れさせて困らせることはあるが、過去のトラウマに苦しめられている人々にとっては、非常にありがたい存在のはずである。
そこへ正義の味方を名乗るバイク野郎が現れた。
彼は猛スピードの中型バイクで、砂利を蹴散らし目の前に現れた。
「あっ、危ないじゃないか!」
私は飛びのき、そう注意したのだが、ヤンキー風の真っ白なジャージ姿の彼はバイクのスタンドを立てると不敵な笑みを浮かべるだけだった。
やはり白のヘルメットのフードを開けるなり、私を指さした。
「ワースレイ、貴様を倒す!」
「な、なんで私の名前を?」
彼は私の質問には答えようとせず、いきなり両手の拳を振り回した。
「うげっ! 痛い! 何するんだ?」
グーパンチで殴られた腕をさすりながら、私は後退した。
「貴様、人の記憶を奪い取っているそうじゃないか」
「それがどうかしたのか?」
「絶対に許さん! とうっ!」
こともあろうか、彼はこれ見よがしに特に長くもない足を振り上げ、ハイキックを見舞ってきた。
私は辛うじて、それを振り払う。
人々の記憶を食べて生き永らえている。
たまに間違えて食べてしまい、ド忘れさせて困らせることはあるが、過去のトラウマに苦しめられている人々にとっては、非常にありがたい存在のはずである。
そこへ正義の味方を名乗るバイク野郎が現れた。
彼は猛スピードの中型バイクで、砂利を蹴散らし目の前に現れた。
「あっ、危ないじゃないか!」
私は飛びのき、そう注意したのだが、ヤンキー風の真っ白なジャージ姿の彼はバイクのスタンドを立てると不敵な笑みを浮かべるだけだった。
やはり白のヘルメットのフードを開けるなり、私を指さした。
「ワースレイ、貴様を倒す!」
「な、なんで私の名前を?」
彼は私の質問には答えようとせず、いきなり両手の拳を振り回した。
「うげっ! 痛い! 何するんだ?」
グーパンチで殴られた腕をさすりながら、私は後退した。
「貴様、人の記憶を奪い取っているそうじゃないか」
「それがどうかしたのか?」
「絶対に許さん! とうっ!」
こともあろうか、彼はこれ見よがしに特に長くもない足を振り上げ、ハイキックを見舞ってきた。
私は辛うじて、それを振り払う。