文字数 373文字

 ちょっとお茶の間のテレビを観ている子どもたちには聞かせたくない台詞である。
 最近こんな自分の立場をわきまえないのが大手を振って街を闊歩しているが、これも時代なのだろうか。

「必殺バブルバスター!」
 彼は、ショート動画でよく目にするようなパラパラダンス系の軽薄な運動をしたあと、私の腰をつかみ持ち上げようとした。
 相手を論破できないからといって暴力で臨んで短絡的に解決を図るところを子どもたちに披露するとは、教育的に大いに問題がある。

「止むを得ん」
 私は背中に手を回し、柄のついた棒状のものを抜き取った。
 彼は、驚きのせいだろう。動きが固まる。
「アジアツーカキキ・ブレード!」
 何だか語呂が悪いが、それで躊躇することなく彼の横っ面を狙った。

 しぱーーん!!
 
 まさに会心の一撃。
 要はハリセンであるそれが見事に決まる。
 彼の身体が膝から崩れ落ちた。

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