続・普通の高校生な(以下略)
文字数 1,867文字
そもそもだ。
相手は男女問わず愛されるイケメン。ただのモブな俺とは違う。
「まだ高校入って1ヶ月だろ希望を持て桂木の一番は今後も絶対更新されるから! だいたい、お前のリア充ネットワークに俺が載ったところで期待外れだろ」
桂木のSNSがどうなってるかなんて実は知らないけど、こんなイケメンのフォロワーとか絶対美男美女がいっぱいいる気がする。偏見だけど。少なくとも期待されてるのはきっと桂木の写真で、間違いなく平凡な俺じゃない。
だいたい一番って言ったところで、今だけだ。俺は偶然最初に席が前だっただけだし。出席番号順だったら遠い組み合わせだけど、教師がくじ引いたんだからご近所になっただけの間柄だ。そんで、桂木みたいなタイプはすぐにもっとイケメンな友人が出来るだろ。実際桂木の友人ってポジション狙ってる奴らはいるみたいだし。桂木一人いるだけで女の子の食いつきが違うらしいからなぁ。
俺?
俺はそういうリア充な生活送ってないから。女子受けとか無関係に生きてるから。
でも桂木は渋い顔をしながら言う。
「いやーどうだろ。山田みたいに話せるのって案外少ないし。俺のダチってこんなんばっかだからさぁ」
こんなん、と見せてくれたスマホの画面には。
桂木含めたイケメン達がキラッキラな室内でタバコ吸ったり酒飲んだり……っておおおおおおい!!!!
「おまっ! おっま! 何見せてんのぉぉぉぉ!!」
「え? だから俺のダチ」
「タバコ! 酒!」
「普通っしょ?」
いやいやいやいや。どこの世界にそんな普通があるんだ。酒にもタバコにも注意書きしてるでしょ良い子はやっちゃいけないお約束! それ教師に見せたらもれなく停学コース! 何こいつ実は不良だったの?
まぁ百歩譲って不良なのはいいけど俺を巻き込まないで!
知らないとこでやってください。
「俺的には普通じゃないんでさようならまた明日」
「えええええ山田的にはダメなの?」
「どこの世界にそれオッケーな高校生がいるんだ今日から俺たちはただのクラスメイトなオーライ?」
「……いやあああ待って見捨てないで俺を一人にしないでぇぇぇ!」
「大丈夫だ桂木ならどこに行っても誰か拾ってくれるさ」
「違う違う勘違いだからそれ!」
ワーワー騒ぐ俺たちだが、教室にはもう誰もいない。意外に皆放課後は忙しいってことだ。少なくともうちのクラスでは放課後に残って会話してるような奴らはいない。まぁまだ同じクラスになって日が浅いせいもあるんだろうけど。俺だって桂木に捕まってなければ今頃本屋とかレンタルショップとかゲーセンとかにいた筈だ。
ぼっちじゃないけど。
ともかく、桂木がこんな不良だと思わなかった。友人は選べって死んだじいちゃんも言ってた。と、思う。生まれる前に死んでるから会ったことないけど。
帰ろうとする俺を前に何やら慌てて桂木が制服から財布を取り出し、そこから何か白いものを抜いて見せてくる。
「ほら見てコレ!」
「あん? 高校生の飲酒喫煙が合法化される魔法のカードでもあったとか言うんじゃないだろうな……」
「ここ、ここ!」
多分免許証?の、必死に桂木が指し示す一行。生年月日。
平成…………。
…………。
……………………。
嘘だろお前!!???
「一応合法だから? オッケー?」
魔法のカードは実在した。
運転免許証という名前で。しかも普通自動車免許。
「……うん合法なのはわかった。で、今って平成だっけ?」
「25年は超えてたっけ?」
超えてるどころか終わってるわ馬鹿野郎!
忘れてた桂木はハイスペックなイケメンだけど成績だけは残念だった。そんで平成なんかとっくに終わってるけど、そこが疑問系になることよりも大きな問題がある。
「お前何歳だあああああっ!」
「まだ20代だけど」
「問題はそこじゃねえよ!!」
高校に入って出来た同級生の友人が20代でした。
なにこれ。
ごめん普通の高校で20代の同級生がいるってのが既に想定外すぎるから。
にしても若作りすぎねぇ? 今まで全く疑問にも思わなかったんですけどやだこいつ怖い。イケメン補正怖い! ドラマとかで20代のイケメン俳優が高校生演じてて内心「実際いたら分かるだろリアリティどこに」とか思っててごめんなさい。
実際いてもわかんねーわ! 違和感ねーわ! イケメン補正の方が上だわ!
まぁそりゃ合法だよね20代は酒もタバコも合法だよね!
「どーしたいきなりしゃがみこんで」
「今ちょっと現実の残酷さから目を背けてんの諸行無常感じてんの」
「ショギョームジョー?」
繰り返す。桂木は成績が残念なイケメン。
相手は男女問わず愛されるイケメン。ただのモブな俺とは違う。
「まだ高校入って1ヶ月だろ希望を持て桂木の一番は今後も絶対更新されるから! だいたい、お前のリア充ネットワークに俺が載ったところで期待外れだろ」
桂木のSNSがどうなってるかなんて実は知らないけど、こんなイケメンのフォロワーとか絶対美男美女がいっぱいいる気がする。偏見だけど。少なくとも期待されてるのはきっと桂木の写真で、間違いなく平凡な俺じゃない。
だいたい一番って言ったところで、今だけだ。俺は偶然最初に席が前だっただけだし。出席番号順だったら遠い組み合わせだけど、教師がくじ引いたんだからご近所になっただけの間柄だ。そんで、桂木みたいなタイプはすぐにもっとイケメンな友人が出来るだろ。実際桂木の友人ってポジション狙ってる奴らはいるみたいだし。桂木一人いるだけで女の子の食いつきが違うらしいからなぁ。
俺?
俺はそういうリア充な生活送ってないから。女子受けとか無関係に生きてるから。
でも桂木は渋い顔をしながら言う。
「いやーどうだろ。山田みたいに話せるのって案外少ないし。俺のダチってこんなんばっかだからさぁ」
こんなん、と見せてくれたスマホの画面には。
桂木含めたイケメン達がキラッキラな室内でタバコ吸ったり酒飲んだり……っておおおおおおい!!!!
「おまっ! おっま! 何見せてんのぉぉぉぉ!!」
「え? だから俺のダチ」
「タバコ! 酒!」
「普通っしょ?」
いやいやいやいや。どこの世界にそんな普通があるんだ。酒にもタバコにも注意書きしてるでしょ良い子はやっちゃいけないお約束! それ教師に見せたらもれなく停学コース! 何こいつ実は不良だったの?
まぁ百歩譲って不良なのはいいけど俺を巻き込まないで!
知らないとこでやってください。
「俺的には普通じゃないんでさようならまた明日」
「えええええ山田的にはダメなの?」
「どこの世界にそれオッケーな高校生がいるんだ今日から俺たちはただのクラスメイトなオーライ?」
「……いやあああ待って見捨てないで俺を一人にしないでぇぇぇ!」
「大丈夫だ桂木ならどこに行っても誰か拾ってくれるさ」
「違う違う勘違いだからそれ!」
ワーワー騒ぐ俺たちだが、教室にはもう誰もいない。意外に皆放課後は忙しいってことだ。少なくともうちのクラスでは放課後に残って会話してるような奴らはいない。まぁまだ同じクラスになって日が浅いせいもあるんだろうけど。俺だって桂木に捕まってなければ今頃本屋とかレンタルショップとかゲーセンとかにいた筈だ。
ぼっちじゃないけど。
ともかく、桂木がこんな不良だと思わなかった。友人は選べって死んだじいちゃんも言ってた。と、思う。生まれる前に死んでるから会ったことないけど。
帰ろうとする俺を前に何やら慌てて桂木が制服から財布を取り出し、そこから何か白いものを抜いて見せてくる。
「ほら見てコレ!」
「あん? 高校生の飲酒喫煙が合法化される魔法のカードでもあったとか言うんじゃないだろうな……」
「ここ、ここ!」
多分免許証?の、必死に桂木が指し示す一行。生年月日。
平成…………。
…………。
……………………。
嘘だろお前!!???
「一応合法だから? オッケー?」
魔法のカードは実在した。
運転免許証という名前で。しかも普通自動車免許。
「……うん合法なのはわかった。で、今って平成だっけ?」
「25年は超えてたっけ?」
超えてるどころか終わってるわ馬鹿野郎!
忘れてた桂木はハイスペックなイケメンだけど成績だけは残念だった。そんで平成なんかとっくに終わってるけど、そこが疑問系になることよりも大きな問題がある。
「お前何歳だあああああっ!」
「まだ20代だけど」
「問題はそこじゃねえよ!!」
高校に入って出来た同級生の友人が20代でした。
なにこれ。
ごめん普通の高校で20代の同級生がいるってのが既に想定外すぎるから。
にしても若作りすぎねぇ? 今まで全く疑問にも思わなかったんですけどやだこいつ怖い。イケメン補正怖い! ドラマとかで20代のイケメン俳優が高校生演じてて内心「実際いたら分かるだろリアリティどこに」とか思っててごめんなさい。
実際いてもわかんねーわ! 違和感ねーわ! イケメン補正の方が上だわ!
まぁそりゃ合法だよね20代は酒もタバコも合法だよね!
「どーしたいきなりしゃがみこんで」
「今ちょっと現実の残酷さから目を背けてんの諸行無常感じてんの」
「ショギョームジョー?」
繰り返す。桂木は成績が残念なイケメン。