パラリーガルの性癖・弁護士フェチズムとかいう病

文字数 2,950文字

「では、くれぐれもマスコミ対応には気をつけるように」
 とある地方都市の法律事務所で、合計10人の男女が朝礼を終えて各自のデスクに散らばる。
 弁護士、パラリーガル、事務員。
 ここ、ブルースカイ法律事務所のパラリーガル、月島(カオル)にはとある秘密があった。
 ファイルを片手に抱いた彼女は、ロングスカートを揺らしながらスーツ姿の男性に駆け寄る。
「大西先生! 法律記録の謄写です。どうぞご確認ください」
「おっ、もう!? 仕事が早いねぇ、相変わらず月島さんは」
「先生たちを補佐するのが私の仕事ですから当然ですよ」
 今年度入所したばかりの男の弁護士に対してにっこり微笑んだ芳は、すぐそばの本棚から別のファイルをささっと抜き取り胸に抱いて小鳥のように駆けていく。
「可愛いよなぁ? マジで」
「見てるだけで癒されるわ」
 二人の男性弁護士は、小声を交わし合い、テキパキ仕事をこなす芳を振り向く。
 この二人は、まだ知らない。
 事務所のなかに立てられた、事務用品置き場と化しているプレハブ小屋のなかで、毎日何が繰り広げられているかーー。
 まぁそのうち、知ることになるのだが。
 いや、弁護士フェチズムの彼女によって知らされることになるのだ。

昼休みのチャイムが鳴る。
プレハブ小屋のなかに、手で口を押さえられたときのような声が響く。
「ふぅうんっ、んんーっ、じゅるる、じゅぷっっ♡」
 唇を限界まで窄め、パンパンに膨らみ血管がボコっと浮き出たペニスをフェラチオしているのは、芳だ。
「あぁっ……芳さんッ」
 弁護士二年目の男性が、芳の後頭部を押さえつけて喘ぐ。
 犬のような体勢で跪いた芳は、ロングスカートを捲り上げて黒ストッキングに包まれた臀部を突き出している。
 ぷっくり膨らんだ大陰唇から、むわっとした香りが充満し、愛液が、つーと滴り落ちては留まることを知らない。
「ってか何で俺ら弁護士のチンポじゃないと駄目なわけ?」
 弁護士三年目の男が、芳の黒ストッキングを、破く。
 ビリーーーッ、ビリッ、ビビーッ。
 愛液がパンツ越しに溢れ出るヴァギナを中心に、卑猥な裂け目が次々とできていく。
「んぐっ、じゅぼぼっ、じゅるっ、へんふぉしはないふぉはめらほ♡」
「何? 何だって? ほら、言ってごらん、ちゃんとチンポをそのだらしない口マンコに咥えたまま、な」
 金色に光る弁護士バッジをつけた彼は、今朝、芳に法律記録の謄写を渡してもらっていた男だ。
 芳は法律記録の謄写というきっかけを餌に、午前中の間に新人弁護士を捕らえたのだ。
「ぷふぁあっ……弁護士先生のチンポじゃなきゃ、私の節操のないお口のクリトリスが感じないの♡」
 芳は飽きることなく、今度は別の弁護士男性のペニスを手でコキ始める。
「普段の芳さんを知ってるから、すげえ、興奮して、あぁ、挿れよ」
 先ほどまで芳にフェラチオされていた男性弁護士が、芳の尻に回り込み、イキリたったペニスをぶち込む。
 芳の瞳孔の上には「♡」が形作られる。
「せんせぇっ♡ あぁっそんな焦らすように弁護士おチンポ擦られると、私のせっかち雌穴が焦らされて雌ザーメンいっぱい溢して床を汚しちゃううううううううぁぁぁんそしたらぁっどうやってカーペットにできた染みを(ヤシロ)先生に説明するのぉぉぉっ♡」
「ヤシロも混ぜてやりてぇーなー」
 腰をゆっくり動かしつつ、芳の子宮口に確実にペニスを押し当てている男性弁護士がふざけた口調で独り言のように言う。
「でもあの人、噂だとレズビアンらしいじゃないですか、あぁっ芳さん手でコくのうますぎっ」
「リアルに、ヤシロ先生が見たら、絶対激怒しますよ」
「あぁぁん♡ 司法試験に落ちて弁護士さんに犯されて、どうあがいても勝てない弁護士サンに輪姦されてる恥ずかしいアヘ顔といやらしいおまんこを社先生にも見てほしぃぃぃぃーーーーーっ♡」
 芳は、小ぶりの胸をふるふる揺らし、乳首を限界まで屹立させ、一回目のオーガズムを迎える。
「はぁっ♡ らめっ、あぁんっ、イっっっく♡ 弁護士おチンポで司法試験失敗おまんこがきゅんってなるのぉぉ♡」
「芳さん、フェラしたままイってよ」
「望むところですよぉ♡」
 屹立した今度は別のペニスを根本から咥え、今度は違う男性弁護士が芳の腰を持って前後に腰を打ちつけ始める。
「アヘ顔すごいですね、芳サン」
「ほらっ、淫乱パラリーガル、上の口と下の口同時に奉仕しながら両方のおまんこでいけよっ」
「普段はデキるパラリーガル、昼間はだらしない弁護士フェチズム拗らせて、恥ずかしくないのかい?」
 ペニスを口いっぱいに咥えて、涎を垂らし、それはボトボトと安っぽいカーペットに染みを作っていく。
「ほら、ヤシロ先生に聞かれたらどうする?『ん? ここの染みは……誰だろ? こんなところでジュース飲んだのは?』ってさ」
「社せんせぇぇっ♡ それは、私の雌汁ですぅぅぅぁぁぁ♡」
「いつもは俺ら弁護士を支えてくれる敏腕パラリーガルの芳さんのアヘ顔すごいな。新◯エルも腰抜かすぜ……」
「あっあんっ♡ しょじょうっといっしょにザーメンっつんっつんほぉっおまんこきゅんする♡」
「何だって? 処女と一緒に?」
 男性弁護士が、まだ真新しいボイスレコーダーを、フェラチオしながらバックで犯されている芳に向ける。
「んん♡ 雌のクセしてエリート紳士の弁護士サンに対して強制わいせつ罪という大罪を犯した私に、いっぱいの訴状とザーメンぶっかけて法廷で追い詰めてくださぃぃぃ♡ 人生がっ、人生がっ、めちゃくちゃになるくらいにやっっちゃってくださいぃぃぃんんんはぁあぁっんんほぉぉんんんんっぐ」
「いつものお決まり、最後に、言うことがあるだろう?」
「あぁぁぁっ! 弁護士ちんぽサイコーーーーーーッでイくーーーーッ♡♡♡」
 精神的にも肉体的にもオーガズムを迎え、背中をのけぞらせて口内から大量の精液のもはや嘔吐に近い量を溢れさせている芳の表情が、凍りついた。
「あ」
 他の男性弁護士も同様だった。
 プレハブ小屋の扉が、空いている。
「や、や、」
 芳の口が、本命の人の苗字を呼ぶと、口内に溜まった精子が、どろ〜んと垂れ落ちる。
 そのせいで芳は「ヤシロ」と最後まで発音できない。
 ゴミ箱と書類を抱えた社弁護士が、呆然と立ち尽くしている。
 普段は妖艶な印象を与える切れ長の目を僅かに見開いてーー。
 何も言わず、軽蔑や嫌悪の表情を浮かべるでもなく、強いて言うなら目をぱちくりさせ、そして右足を一歩後ろに引いて、ゴミ箱と書類を抱いたまま、社は静かにドアの後ろに姿を消した。
 パタン。
 優しい音で扉が閉まる。
 かくん。
 芳は、その場にぺたんとへたり込む。
“輪姦ごっこプレー”を頼んだのは芳だから、男性弁護士三人は、芳の肩を抱いて「大丈夫ですか」と心配したり、壊れたコピー機にもたれてどうしようもなくため息をついたり、「芳さん……僕、調子に乗りすぎました」とエクスキューズしたり、それぞれのやり方で芳を慰め、守りにかかる。
 震える肩を抱いた芳は、声も震わせながら言った。
「大丈夫よ。全部、私が巻き込んだことだから」
 つー……と涙が一粒、芳の頬を伝った。
 それは失恋の涙だった。
「幻滅されたに違いないわ……」
「……」
「誤解されないと、いいんだが」
「はぁ……なんてことに」



(続く)
 
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