おまけ　ホームページ撮影

※本編との直接的な関係はありません。読まなくても次の話は分かります。

「はい！笑って～！あ！笑っちゃダメだ！クールに！」
「ふん。何よ！適格な指示をしなさいよ！」
「ご、ごめんね。萌愛ちゃん。」
このカメラマンこんなにも撮るの下手でいいの！？
「この私が可愛く見えるように撮ってよね？私のイメージに合うように！」
「はいはい。」
「萌愛さん、笑顔は控えめにお願いします。かっこいい路線で売るなら、笑顔が無くても輝くオーラを出す必要があります。」
「難しいわよ！」
反論したけど、このマネージャーの言う事はいつも核心を付いてくる。仕方ない。笑顔を抑える。
「笑顔を抑えるだけじゃダメです。」
「うるさい！」
顔を動かさないまま、口だけ動かして怒った瞬間……。
パシャ！
「おお！めっちゃいい感じだよ！」
「え？」
怒ってた顔がいいわけない！カメラの横の画面を見る。すぐにおかしいと思った。自分の顔が変なの。真顔なのに、何だか私が宿っているっていうか。私らしいというか。何だかすごく素敵。
「これが私の求めていたオーラです。」
マネージャーが、ほんの少しだけ口角を上げて笑う。
「これを求めてたの？」
「はい。こんなにもぴったりな顔は無いです。」
この写真が私のHPの写真になった。ふぅ。私は可愛い系の写真で攻めたかったのに。私は可愛い感じじゃないもんね。もし、私が同じ顔で生まれ変わったら、可愛い系のモデルで売りたかったな～。