みやこおちロジバン 導入

エピソード文字数 4,511文字

ショイショイ(あいさつ×2)。今宵はここでひたすら個人的な趣味の話をします。具体的には人工言語ロジバン(lojban)ですね。どうぞよしなに。
いやあ、人工言語絡みの某同人誌サークルの一員として活動してたころに、毎度毎度、期日の前夜までアイデアだけを溜め込んで、徹夜で自分の原稿を作り上げた思ひ出が蘇りますねえ、なんだか。
はあ、なんだかよくわかりませんけど……それで、呼び出されたぼくは一体何をさせられるんです?
んー、ひとりだと心細いからね、そこに居て、いい感じのタイミングで相槌してくれたら十分だよ、ひたすら。
はあ。(はあ。)
うん、実にいい感じだね。それぢやあ、今回のテーマはこちらです。
《みやこおちロジバン》~特にこれとした理由はないけど、わたし、ロジバン・コミュニティを離れました~
モヤッとしたタイトルですね。
うん、そだね。漠然としたままでもいいから、今年中に吐き出しておきたいモヤモヤがいろいろあるんだ。
一時期はね、ロジバン専用のチャットサーバーに入り浸るほどには熱中してたはずなんだけど、ここ半年位…いや二、三年かな?いつごろからかもわからなくなるほど長らく足が遠のいてゐてさ、それでゐて「ああ、おれ、ずつとロジバン民なんだなあ」て自己認識はあるんですよ。
はあ、まあ趣味なんてそんなもんだと思ひますけど…ところでぼくの中にも今まさにモヤモヤがあるので、吐き出しますね。
あっはい、どうぞ。エハサイ(つよいゆるしのきもち)。
そもそも「ロジバン」て一体何なんです?「人工言語」て最初に言つてましたけど、人間の言葉に作り物とか天然物とかがあるんですか?
…そこから話さないとダメ?
ダメぢやないですかね。普通、何かしら一言紹介してから始めません?一般的ではない趣味の話は。
ええ~…うーん、調子狂ふなあ。おれ「ロジバンは述語論理を基盤とした文法を持ち合理的で中立的な意思疏通を目指してデザインされた言語の一つで~」みたいなことを一々言はずに済ませたくて、君を分身として切り離して呼び出したんだけどねえ。
ぼく分化したばかりなのであんまり期待しないでくださいよ。とりま論理つぽい感じにデザインされて作られた言葉なんだな、といふことだけはわかりました。それでコミュニケーションも論理的になるのなら良いことですね、いまいち想像つきませんけど。
さあ、それはどうかな。名前は確かに「ロジバン(「論理言語」)」ですけどね。おれは「世界中に散在するジボ族が現代のインターネットを通じて互ひに交信するための言語で、ジボ語とも呼ばれます」みたいな紹介でも別にええかな、とすら思つてますよ。
すごく眉唾な感じの紹介だ。
もし真面目に概要を知りたいなら、ロジバン公式サイトの「よくある質問」のページとか、初めてさん向けの講座サイトとしてよく読まれてる「はじめてのロジバン」あたりから手をつけてみると良いかと思ひます。

(ググつて最初の方に出てくるかもしれない日本語版ウィキペディアのは、記述の濃密さゆゑか、わかりやすさの点では正直なところ不評なんですけど、好きな人は好きだと思ふので、一応リンクしておきます。)

まあダメならやはり「バーチャル民族《ジボ人》の話す言語《ジボ語》」といふことにしておいて。
(一体ぼくは何を見聞きし何を信じれば良いのだらう。)
そんな感じで、今回は別に講座ではないのだから、言語としての詳細には深入りしないで行きたいなあ、と。
ニホニホ(さてさて)、そろそろ本題です。まづは自分が長らくロジバン・コミュニティ、あるいはジボ人の集まりから離れてしまつたなあ、と感慨に耽るに至つた契機となる、あるロジバン話者の投稿を紹介しますね。
2018-05-27 13:17:31 PDT/-0700 ... [Mungojelly]: .i ku'i za'a lo mitcinse cu na jundi la jbobratca .i za'a lo trangeni cu na jundi la jbobratca .i za'a lo ba'e ninmu cu na jundi la jbobratca .i lo ponjo poi jboklu midju darno rei cu na jundi la jbobratca .i lo bangenugu se bangu nanmu po'o cu jundi coi nanmu
あ、これ全部例のロジバンで書かれたメッセージですか?
イェサイ(つよいどういのきもち)。やつぱり現物があると君も想像しやすいよね。ちなみに発言者はロジバン名だと知る人ぞ知るselckiku氏です。前後の文脈が知りたい場合は引用元として2018年5月27日付のチャットログを挙げておきますね。
いや、読めないので内容を教へてほしいんですが。
ジェヘヴィホ(「わかりました、そのやうにいたします」)。

枝葉を除いて雑に訳すと、「でも見たところ、同性愛者も、トランスジェンダーも、女性も、ジボ人文化の中心から遠い日本人も、ジボブラチャに意識を向けない。英語話者の男性だけが意識を向ける。こんにちは、男性。」て感じやね。ジボブラチャ(ジボ大都市)は、前後の文脈から鑑みればロジバン話者の集まるチャットスペースにその場でつけたニックネームです。

この発言の少し前に、発言者のselckiku氏(以後敢て和訳して「錠前さん」と呼んでみますが)ホモフォビアの人から攻撃的な発言を受けて「あんなのを許す環境では他の普通でないけどおもろい奴等がますます寄りつかなくなるは」とか、他のロジバン話者と「このごろほんまに人居らんなこのジボブラチャ」「このチャットスペース居心地悪い(to'e kufra)て言うてはるジボ人が何人か居んねん」みたいな感じの趣旨のやりとりをしてをられるんですよ、雑に言ふと。その流れでなら無理もない発言だよね。
………

ふむ、ログをまたもう一度見返してたけど、錠前さん、{.i lo fadni po'o cu kufra .i lo kulnu se curmi fadni cu jijnu po snura}、つまりは「文化的に許容された普通の(fadni)奴だけにとつて居心地が良いんや」とも発言されてて、これは端的ですよね。

何か反応無いなと思つたら…それにしては長すぎです。もうお昼ですよ。
正直、おふとんのなかが一番居心地良くて…ファウフ(「ごめんなさいね」)。
はあ。もう付き合ひきれませんは。
どうも有難うございました〜…でもここで切ると中途半端すぎて寝覚めが悪いから、もう少し続けて良いですか。
で、錠前さんの観点だと恐らくおれも、ジボブラチャが居心地良くなくて遠のいた、fadniといふわけではないジボ人の一人として計上されてるんですよね。
それで、ああ、今思へば、別に誰が悪いとか誰を恨むとか言ひたいわけでもないけれど、漠然とした居心地の悪さ、表現しづらいシンドさを感じた瞬間の数々は、毎日チャットサーバーに接続して入り浸つてゐたころにも確かに存在したなあ、とね。
そのシンドい感じが、他のジボ人の言ふやうに、なにもロジバン・コミュニティ特有のものではなく、人の集まる場所ではありふれたものなのかもしれないとしてもね。
はあ。それで、コミュニティの内外に問題提起をする感じの流れですかね。
え?いやいや、ただただ聞いてほしいだけだよ、おれのなかのごくごく主観的なモヤモヤを、できれば今年のうちにね。
まあ今日中には無理だから、次の機会に、ロジバンに触れて他のロジバン話者とのチャットを始めるあたりから、思ひ出話をしようかな。今日は導入部といふことで。
次の機会て…いつごろになるのやら。
早くて一週間後、でなければ二週間後の年明け、なんなら一年後でもいいかな。
一年後??絶対、また同じ話しないと思ひ出せませんよ今日の話、ぼく。
ま、さうならないやうにしたいところだけど、あまり期待せずにしばらく休んでるといいよ。
はい、ではおつかれさまです、さよなら
ショホ・ユー・ロ・シャホシャンシ・ザハ(みたところきえゆくものへのあいするきもちをこめたわかれのあいさつ)
(おまけ)
ロジバン文法を基本的な部分だけご存じの方に向けて補足しますと、今回紹介した錠前さんのロジバン文は彼の個人方言に基づく表現が含まれます。
«rei»は{ru'e}の所謂ce-ki-tau-jau交換ですね。つまり意味的には{ru'e}と読み替へればOKです。これは簡単だね。
チャットログ以外の情報源が欲しいなあと思つてロジバン公式サイト開いてみたらサーバーに繋がらない…まあよくあることです。
お、開いた。
"Proposed swaps regarding attitudinal/scalar modifiers"の節にreiとru'eのことも含まれてるね。
しかしまあ、{rei}て当初は「十六進数のE/十進数の14」を表す数詞として用意されたんだけど、「二」を意味する{re}と紛らはしいからといふ理由で新語形の{xei}が提案されたんですよね。
それでもし仮に«xei»の形が一般的になれば当初の«rei»の形は御役目御免となつて路頭に迷ふわけですけど、その身請け先として{ru'e}のce-ki-tau-jau交換語形の役目が提示されたことにもなるよね。
まあそもそもそこまでして十六進数のE即ち十進数の14を一語で示したい場面がたくさんあるのか少し疑はしいところだけどね。この際、皆して使用例を増やしてみませうか。zo'orei(zo'oru'e)
ta'onai 次は«po»。これも先述のce-ki-tau-jauリストに載つてますが、意味的には{xu'u}。恐らく見慣れないであらう品詞LOhOIに属する機能語です。冠詞のLEと似てますけど、述語の代りに命題全体を丸々受け入れてくれる、ケツアナの広い連中ですね。
実はもうすでにはじロジ作者のブログ記事でも紹介されてましたね。確かに{xu'u}のままだと音節数削減の目的では地味な新語ではあります。
しかしながら、ce-ki-tau-jau交換と組み合はせて«po»の語形を得た段階では、何と言ふか、格段に攻撃力が増す感じがします。それこそ続けざまにポンポンと抽象節を撃ち出せるわけですからね、«po»だけに。
ちなみにLOhOI専用の終止詞の{ku'au}には«po'e»か«nei»を当てようとしてるみたい。実際、錠前さんは«nei»を使用してましたね。おれ{nei}のこと好きなんだけどな〜。まあでも言ふほどそんなに使つてこなかつたけどね、思ひ返せば、{nei}。
もちろん、ここまで言及してきた用法は全て非公式中の非公式な部分なので、無理して憶える必要は全く無いです。ただ、「街」でたまたまかうした初見ではわからない用法に遭遇しても、あまり怖気づかないであげてね。
オタク話パートが案外長引いたね。それではここらで自分も帰ります。
ショホ〜(わかれのあいさつ)
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