第三者視点
文字数 253文字
ふと中庭へ視線を向けた男子生徒は、思わず足を止めた。赤や黄に色付く木の間、一人の女学生が宙を仰いでいる。制服の襟の色を見るに、一学年先輩らしい。
シルバーのバレッタで結い上げられた黒髪は陽に透けてキラキラと輝いていた。肌は白く、頬は桃のように淡く色づき、今は閉じられたままの唇は朝露を受けた椿のように紅い。白い瞼と艶のある睫毛の奥には、丹念に磨きこまれたような、ブルーサファイアの瞳が印象的だった。一部の例外を除いた大多数の人間は知らない、腐向けの妄想を愉しんでいる事なんて。外見詐欺もいいところである。
シルバーのバレッタで結い上げられた黒髪は陽に透けてキラキラと輝いていた。肌は白く、頬は桃のように淡く色づき、今は閉じられたままの唇は朝露を受けた椿のように紅い。白い瞼と艶のある睫毛の奥には、丹念に磨きこまれたような、ブルーサファイアの瞳が印象的だった。一部の例外を除いた大多数の人間は知らない、腐向けの妄想を愉しんでいる事なんて。外見詐欺もいいところである。