デート服2
文字数 218文字
「あずき」
そう呼ばれた少女が、艶やかな黒髪をふうわり靡かせながら恋人らしき青年に小走りでかけよっていくのが見えた。丸襟と金色の釦がアクセントのブラウスに、ふわふわのパニエで膨らんだ段レースのスカートを履いている。華奢な腰には薔薇の飾りがついたコルセット。足元は背の高い彼氏に合わせたのか、ヒールのあるミュール。陶器のような白い肌、まあるい蒼の瞳は星空を煮詰めたかのように輝いている。絵本から飛び出してきたような『愛らしい』存在だった。
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