初めての接客。

文字数 857文字

2日目。
ついにお客さんを相手にすると言うのだ。
緊張で胸が張り裂けそうだった。

私は個室で待機していた。

すると部屋にある電話が鳴った。
「ゆなちゃん、ご新規様入ります」
初めての接客だ。緊張で手が震える。
私はゆなだ、私はゆなだと何度も言い聞かせた。
初めての接客は、今でも鮮明に覚えている。

部屋に男性が入ってきた。
「はじめまして、こんにちは。ゆなです」
緊張を隠すように明るく挨拶をする。
すると男性は
「新人さんだよね?僕も緊張しているから、あまり緊張しないでいいよ」
緊張は男性にバレていた。
だが男性が優しくそう言ってくれたので、緊張が和らいだ。

男性にシャワーに浴びてもらい、うつ伏せになってもらう。初めてのお客さんにマッサージをする時がきた。

ゆっくりと背中から足までしっかりとマッサージをする。意外にも会話がかなりはずんで時間がすぐに過ぎた。するとアラームがなる。このアラームがなると10分前の合図だ。
時間の配分を間違え、マッサージと会話に集中しすぎてしまったのだ。慌てて仰向けになってもらおうとすると男性はこう言った。
「延長って出来るの?」
延長してもらうとお給料にプラスされるので、延長や指名はどんどん取ると得をする。
「もちろん出来ます!」
そう言って延長をすることになり、仰向けになってもらいしっかりマッサージして男性はスッキリとしてくれたのだ。

「楽しかったよ、次は指名で来るね」
そう言って男性との楽しい時間は過ぎた。
何より驚いたのが、マッサージをしている間に私がいやらしい声を発していた事に驚いた。
「...気持ちいい?」
教えてもらってないのにそんな事まで自然と言っていたのだ。
更に店長に
「初めての接客で延長を取るなんてすごい!」
と褒められたのだ。
私はこの仕事まだもう少しやっていけるかもしれない。そう思ってこの日は終わった。

最後にお給料を渡されると、私は驚いた。
1人相手をしただけなのにBにいいものをプレゼント出来るようなお金をもらった。

よし!また次も頑張ろう!
そう思いながらお金を大事に封筒にしまい、帰宅したのであった。
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