嘘つき。

文字数 1,153文字

私は、エッチな店で働くような女の子じゃなかった。
明るく真面目で、エッチな事が好きなタイプでもないただの女の子だった。

そんな私をこうさせたのは、この店で働く前に付き合っていた男性Aと、この店で働く少し前に付き合いだした男性Bがきっかけだ。

私は付き合うと尽くしてしまうタイプだった。
とても恋愛体質で、男の人がいないと生きていけない、そんなタイプ。
男性に嫌われたくなくて、いつも必死だった。

Aの事は、何をしても許してしまうほど好きだった。
Aは当時働いてなくて、いわゆるニートだった。
でもそんなの私が働けば生きていけるんだから、働いてないことを責めるどころかAの好きなようにしていてほしいし、それでいいから一緒にいてほしかった。

Aの趣味は、漫画、アニメ、ゲーム、そしてギャンブルだ。
いつもフィギュアを集めたり、漫画を大量に集めたり、好きなアニメを見たり、ゲームしたりしていた。
好きなことをして喜んでいるAが愛おしかった。

ギャンブルも主にパチンコで、パチンコに行く時は私もよく一緒についていったこともあった。
そもそもなぜギャンブルに行くお金があるのかと言うと、付き合う前から貯めていた私の貯金から少しずつお金を渡していたのだ。

しかしそのお金も底をつきてきて、ついにAに
「働いてくれるかな?」
と言ってみた。

するとAは意外にもあっさり
「わかった。」
と言い、職を探すことになった。

だけどAは仕事が長続きしなかった。
収入も安定しないまま月日だけが過ぎていった。

そんなある日、私はAに家賃と光熱費を払っておいて欲しいと頼み、机の上にお金を置いていった。
当時は引き落としではなく、コンビニでいつも支払っていたのだ。
そして私は仕事に行った。

仕事から帰ってきて、Aに聞いた。
「お金払っといてくれた?」
するとAは
「うん」
と一言だけ答えた。

それから数日が経って、私の携帯に電話がかかってきた。大家さんからだ。
電話の内容は、家賃が支払われていないと言うことだった。
私はAに問いただした。
だがAは
「支払ったよ」
と言うではないか。

なにかの間違えかと思い、再び大家さんに連絡をした。しかし大家さんは、家賃は支払われてないと答える。

何かがおかしい。

解決しないまま一晩がすぎた。

翌日再び驚くことが起きた。
光熱費が支払われてないと催促の紙がきたのだ。

Aに尋ねると再び
「支払ったよ」
と答える。

Aは昔から嘘つきだ。
平気な顔で嘘をつくのだ。

さすがの私も怒りながらAにこう言った。
「いい加減正直に話して!」
するとAは
「ごめん」
と言った。話を聞くと、家賃と光熱費を支払うように渡したお金をパチンコにすべて使ってしまったと言う。

渡した私が馬鹿だった。
信じた私が馬鹿だった。

だがパチンコに使ってしまったお金はもう戻ってこない。私はすぐに諦めて借金をする決意をした。
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