第5話

文字数 255文字

数日そのまま、だいたい眠っていたが、ふと意識が戻る。
傷口から蛆が湧くと、そいつらや蝿が肉を蝕み、どんどん増えて、集まって来る。
鳩たちも、それをつつきに集まり、ついでに彼の肉も突いて行く。
ああ、僕は、こんなふうにみんなで食事がしたかったんだ。
みんな、楽しそうだな。
羨ましいな、贅沢だな。
1羽の烏。
カァ、と一声。
降り立つと同時に、一斉に散る鳩。
目玉を一突き、ついではらわた。
断末魔、その瞬間
ぷるるる…

烏は食わずに飛び去った。

自己を知らぬまま、はかなく散って行ってしまったちいさな命。
知ってたらどうだったんだろうか?
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