暗闇チュンチュンワールド
文字数 808文字
光あれ
ちゅん ちゅん
言ってみただけさ…
("神は「光あれ」と言われた。すると光があった。"
創世記を読んだことがない人でも、知っている一節。
神は始まって三行で光を作ったというのに…。
文芸部員勧誘の光が見えないまま木曜が過ぎて、金曜になってしまった)
石川
「内山、お前……心は大丈夫だよな？
俺は大丈夫だが、文芸部は駄目かもしれない。
説明会に誰も来なかった時点で、ニーズがないのは明らかなんだろうな
俺も帰宅部希望な奴に、一応は声かけたけどダメだな
石川、ありがとうな。
俺自身が一番良くわかってるんだよな……
今の時期に部活を決めていない人は、部活をやる気がないってことは。
入らない部活の勧誘をしているお前もどうかと思うけどね。
やっぱ、その文学少女がキャワイイのか！？
及川
「石川君と一緒にされたら、内山君が可哀だよー
お、俺と一緒？なんのことか、よくわからないなー。
それより、文芸部に興味ありそうな人を知らない？
このままだと、内山はチュンチュンワールドに行ってしまうんだよ
ちゅっ…ちゅんちゅん？
池谷お兄さんを知らないなら無視して……
そうか！お兄さんだ！
内山、お前……頭は大丈夫だよな？
一年生の中から、部員を探す必要はなかったんだ！
二三年生の中には、中学の頃に文芸部をだった人もいるはず。
その人たちに集中して勧誘すれば行けるかもしれない！
一年生にも隠れ元文芸部はいるかもしれないしな！
でも、元文芸部の先輩なんてわかるの？
……
それなら私、力になれそうだよ？
日曜に、別の高校に行った文芸部の友達に会うから聞いてみるよ
及川さん！ありがとう。光が見えたよ
内山君、頑張っているから部員集まるといいね。
月曜日に報告するから、土日は無理をしないで休んでね。
じゃぁ、また来週ね。ばいばいー
うん。さよなら
じー……
な、なんだよ
お前、笑顔だったからさ。
及川にキュンキュンワールドなのかな
なんだよ、それ
