第2-4話 つるの恩返し(4)

文字数 1,105文字

○圭太の自宅 20:00

圭太の元から、地元の中学に通うようになったツルは、やがて抜群の成績を修めるようになった。

はいっ、通信簿。

ツル、いいお嫁さんになれるよう頑張ったから。

ほんとかい?

夜、内職ばかりだからオール2なんじゃないの?

そんなことないよ、ホントだよ。
期待せず、通信簿を開ける圭太。
えっ?オール5じゃないか。

ツルって、アタマいいんだなあ。

それに、料理もできるし。

(この子、何者?)

アタシ、いい奥さんになれる?
ああっ。

(もう、この子を嫁にしよう。何者でもいいや)

きゃは。

夕食は、もう作ったといたからチンしてね。

ワタシは、内職っと。

ツルはまた別室に籠り、内職を始めた。
トントン!

コンコン!

それにしてもツルは、毎晩何の内職をしてるんだ?

もう、嫁にすることを内心決めたから、ちょっと覗いてもバチは当たらないだろう。

ツルの部屋をそっと覗き込む圭太。

そこには、生パンティを脱いでは、クロッチ部分にナンプラーを掛けて、木槌で叩くツルの姿が。

ガチャリっ!
ツル、そのパンティをどうするつもりだ。
秋葉原や上野のアダルトショップで売るのよ。

パパ達が高額で買ってくれる。

そんなことをして、ボクが喜ぶとでも思っているのかい?
圭太、貧乏なんだからしょうがないじゃない。

こうでもしないと、二人して食べていけない。

僕が貧乏だから…

(我ながら情けないな)

ピンポーン♫

ピンポーン♫

たのも〜夜分すみませーん。

玄関に来客が。
ん?誰だ、こんな夜更に。
ガチャリっ!
玄関には、いかつい二人が。
夜分遅くすみません。

こちらに、橋本ツルさんはいませんか?

確かに居ますが、今はわたしの養女、山田ツルとして生活していますが。あなた方は?
橋本財閥の会長の両腕、飛車と。
角です。

そうと分かれば、失礼してあがらせてもらう。

ヅカヅカと上がり込む二人。
さあ、お嬢さん、会長の元に帰るのです。
ワタシはいやっ。

圭ちゃんのお嫁さんになるの。

聴き分けのないお嬢さんだ。

失礼っ!どりゃあ!

どすん!
うっ!
ツルの水月に当身を入れ、昏倒した所を肩に担ぐ飛車。
それでは、お嬢さんはいただいて還る。
まっ、待ってくれ。ツルは、ぼくのぼくの..,
勿論、会長から迷惑料を預かってきている。

受け取ってくれ。

一億ある。
えっ?一億っ!だけど、ボクは金なんか..,
会長に恥をかかせる気か?

あまり、ごねるとアンタが失踪する番だぜ。

ツルさんはな、うまれながらにしていつびし商事の御子息との結婚が運命づけられた方なんだ。

夜分、お邪魔したな。

颯爽とハケル飛車角。
家柄が違う…か。
こうして、ツルは元の天(上流社会)に帰って行った。
(もう、都会はこりごりだ。

つるの残してくれた金で地所を買って、地元で百姓でもしよう)

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