第2-2話 つるの恩返し(2)

文字数 700文字

○東京鶯谷、圭太の自宅 2:00AM
台風が関東に上陸し、外は横殴りの雨。
ヒューガタガタっ!
トントンっ!トントンっ!

すみませーん!

誰だ?こんな夜更けに。
律儀に身繕いをして、玄関に向かう圭太。
そこには、雨でずぶ濡れになった童女が立っていた。
橋本ツルと申します。すみませんが、一晩泊めてもらえませんか?

ええっ?

それは構わないけど、キミはいくつなの?

それで、何処から来たの?

12歳。

福井県から、歩いて来ました。

もう、足が痛くて。

少女の運動靴はボロボロ、足が化膿している。
こりゃーいかんな。

さっ、中に入りなさい。

風呂で身体を洗ってやるよ。

うん、ありがとう。❤️
感激のあまり、泣き出す娘。
シャーっ、シャー

(温水シャワーの音)

どうだ、あったかくて気持ちいいだろ?
うんっ。
…(まだ、恥毛の生え揃っていない。パイパン○んこだ。

何か、興奮するなあ。あ、いけない。条例違反だぞ)

圭太は、少女の身体を洗うと自らのジャージを着せ、

傷の手当てをして、食事を与えることにした。

ひとりモンなんで、カップヌードルと永山園のお茶漬けくらいしかないけど、よかったら食べな。
温食を少女に与えるココロ優しい圭太。
お兄ちゃん、美味しいよ。

あたい、ずっとここに居る。

泣きながら、温食をがっつく少女。
(なんか、おばあちゃんが話した筋書き通りになってきたなあ)

ダメだ、明日区の民生委員に相談しなきゃ。

いやっ、あたいずっとここに居るんだもん。

それで、おっきくなったらお兄チョンのお嫁さんになるんだから。

(お兄チョンじゃなくて、お兄ちゃんだろ…

親のDVに苦しんで、家出してきたのかも…

だったら無理に帰すのも酷かもしれない)

色々と想いを巡らす圭太であった。
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