出会いは突然に。
文字数 4,610文字
――突然明滅を始める画面――
――黒い背景の画面に、白い文字が浮かび上がる――
「……よくよく考えてみたら、ウィルスに名前なんてあるわけないか。うーん……何か自分のことを示す何かはないか?」(いくらか漠然とした質問だが、この謎の通知の学習能力なら、それぐらいできそうな気がするぞ)
「うわ、一気に流暢な通知が飛んできたぞ。何をする気なんだこのウィルス……カメラに識別……ってこいつ、完全に俺のスマホを乗っ取ってるぞ……で、識別される人物に似た人物をモンタージュ……目的は分からないが、とりあえずウィルス自身の姿を画像を編集して表そうとしているんだな」
「本当に話し相手になろうとしている? ……まぁ、話し相手というからには人間同士で話すってことを俺は考えていたが……ウィルスがそこまで考えるのか? こいつの学習能力はものすごいが、なんていうかそういうところにまで考えがいたるのか……?」
「って、なんで俺はさりげなくウィルスに手を貸すようなことを考えてるんだ!? 普通に考えたら、今俺のスマホはウィルスによって滅茶苦茶にされてるんじゃないか……まぁ、今の俺にはどうすることもできないんだけどさ」
――二時間後――
――一時間後――
――二時間後――
――次の朝――