収容所から来た遺書  辺見じゅん

文字数 920文字

戦後十二年目にシベリア帰還者から遺族に届いた六通の遺書。その背後に驚くべき事実が隠されていた! 大宅賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞に輝いた感動の書。


文春文庫『収容所から来た遺書』辺見じゅん 文庫 - 文藝春秋BOOKS (bunshun.jp)

最近、ちょっと大きめの地震が多いよね。

今朝も揺れたよね。震源を聞いて「まさか富士山……」と思ってしまった短絡的な自分がイヤだ。

それはともあれ、やはり事前の備えは必要だと思うんだ。

なんだかねえ、何が起こるかわからない世の中だしね。オミクロン株もどんなもんか心配だしさ。

それ、蔓延を始めたのはわかったけど、それがどれほどの重症化リスクを抱えているのかが見えないままに不安をあおるような報道がされているのが、ぼくとしては気に入らない。

コロナが流行り始めた頃から進歩していないんだよな、そういうところ。

は、ともかく。本日の一冊は『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』。

六通の遺書のほとんどが口伝で遺族のもとに届いたんだ、そこがまず、すごくないか。

ソ連の非人道的な措置もさることながら、それを掻い潜って届く「想い」の強さに心を打たれる。

それだけ山本幡男という人物が多くの人に慕われたという証拠でもあるんだね。そして驚くのは、収容所にいた人たちの記憶力だよ。

この本には遺書のほかにも多くの俳句や詩が収められているのだけど、これ、つまりは、それらのすべてが帰還者たちの記憶を頼りに「再現」されたものだって、ことなわけだろ?

いやいや、ほんと、意味がわからない。

中には記憶違いだってあるかもしれないけれど、それにしたってこの数だ。

収容されていた人々の知識の高さがよくわかる。

それと同時にこの本を読みながらぼくが感じたのは、いかなる状況下においても人は人を貶めずにはいられないものだ、ということだった。
ああ……。
そういえば、この作品が今度映画化するんだよね。
うん。サイトの情報通りであれば、ただいま撮影まっただ中のはず。

主演のニノがどんな山本幡男を演じるのか、楽しみだなあ。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色