突然の死
文字数 1,236文字
目の前の自称魔女は俺には理解できそうにない意味不明なことを話していた。というか魔女ってなんだ?質問に全部答えてもらったのにわけがわからん。
俺はベットの上で寝ていたはずだ、なのに気がついたらこんな所にいたんだぞ!?
地名を教えてほしいんじゃない、なんというか・・・もっとこう
―――ああ、理解したぞ。見たことも聞いたこともないのは当たり前かもしれないな
お前はおそらく別のセカイで死んだんだろう―――そしてその魂がその泥人形の中に入ったんだろうな
そんな阿呆みたいなことは無いだろう。けど―――あれ、俺が死んでる・・・?
その時俺は夢の中で不思議な夢を見たこと思いだしていた。
『ずっと待ってるから―――ワタシ達を殺しにきてね』
ワタシはお前がいたセカイで死んだことによりそのセカイとの関係が断たれた魂をこの泥人形に入れた。死んだ魂以外はその体に入ることはできまい
おいバカにしているのか?自分の名前くらいわかるに―――
その次の瞬間、俺の中での時間が止まった。何故なら何も頭の中に浮かんでこないからだ。
どうしたんだどういうことなんだ・・・!?
過去の記憶を思い返す、テストの名前の記入欄や家族や友人との会話の中で俺は何度も聞いていた。なのにまるでモザイクがかかっているかのようにわからない。
誰かに邪魔されているかのようだった。
いくら思い出そうとしても、いくら記憶をさかのぼってみても、自分の名前が思い出せない。
どうだ?元いた世界から関係が断たれたせいで名前が思い出せないだろ?
じゃあ本当に俺は死んで、別の世界に魂が来てしまったのか?
おいおいまさか・・・自分が死んでないとでも思いこんでいるんじゃないだろうな?
これ自体が夢なんだあああああああああああああああああああ!!!!!!
そう言うと俺は素早い動きで机から降り、すぐさま自称魔女に右手で壁にある本棚に押し飛ばそうとした。
俺の体は大きいのだろうか、それとも自称魔女が小柄だからだろうか。
右手に当たった自称魔女はいともたやすく本棚にむかってはじき飛ばされる。
グギギ・・・おいオマエ!わざわざ助けてやった命の恩人になにやって―――
その直後、自称魔女がぶつかった本棚が揺れる。そしてそこにあった大量の本が重力によって降り注いだ。
悪人のような断末魔とともに大量の本の下敷きになった。
自称魔女を見つめるの体は動いていない、おそらくのびているのだろう。つまり・・・
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