突然の死

文字数 1,236文字

目の前の自称魔女は俺には理解できそうにない意味不明なことを話していた。というか魔女ってなんだ?質問に全部答えてもらったのにわけがわからん。
まずデネブエラの森ってなんだよ!
なんだよって、この家がある場所の地名だ
いや違うそうじゃない!
?、じゃあ何が違うんだ?
俺はベットの上で寝ていたはずだ、なのに気がついたらこんな所にいたんだぞ!?

地名を教えてほしいんじゃない、なんというか・・・もっとこう

―――ああ、理解したぞ。見たことも聞いたこともないのは当たり前かもしれないな
えっ、今ので理解できたのか!?
お前はおそらく別のセカイで死んだんだろう―――そしてその魂がその泥人形の中に入ったんだろうな
―――は?

お、お前・・・何・・・言って

 そんな阿呆みたいなことは無いだろう。けど―――あれ、俺が死んでる・・・?
 その時俺は夢の中で不思議な夢を見たこと思いだしていた。

『ずっと待ってるから―――ワタシ達を殺しにきてね』
―――――
ワタシはお前がいたセカイで死んだことによりそのセカイとの関係が断たれた魂をこの泥人形に入れた。死んだ魂以外はその体に入ることはできまい
―――じゃああれは夢ではなく現実だったのか?
じゃあ試しにオマエ自身の名前を言ってみろ
なっ・・・
ほら、言ってみろよ!キヒヒヒヒ!!
おいバカにしているのか?自分の名前くらいわかるに―――
その次の瞬間、俺の中での時間が止まった。何故なら何も頭の中に浮かんでこないからだ。
!?
 どうしたんだどういうことなんだ・・・!?
 過去の記憶を思い返す、テストの名前の記入欄や家族や友人との会話の中で俺は何度も聞いていた。なのにまるでモザイクがかかっているかのようにわからない。
 誰かに邪魔されているかのようだった。
 いくら思い出そうとしても、いくら記憶をさかのぼってみても、自分の名前が思い出せない。
どうだ?元いた世界から関係が断たれたせいで名前が思い出せないだろ?
じゃあ本当に俺は死んで、別の世界に魂が来てしまったのか? 
おいおいまさか・・・自分が死んでないとでも思いこんでいるんじゃないだろうな?
―――いや・・・違うこれは、そうこれは―――
ん?
これ自体が夢なんだあああああああああああああああああああ!!!!!!
そう言うと俺は素早い動きで机から降り、すぐさま自称魔女に右手で壁にある本棚に押し飛ばそうとした。
なッ!?
 俺の体は大きいのだろうか、それとも自称魔女が小柄だからだろうか。
 右手に当たった自称魔女はいともたやすく本棚にむかってはじき飛ばされる。
グギギ・・・おいオマエ!わざわざ助けてやった命の恩人になにやって―――
 その直後、自称魔女がぶつかった本棚が揺れる。そしてそこにあった大量の本が重力によって降り注いだ。
おいちょっとまっ、ぐあああああああ!!
 悪人のような断末魔とともに大量の本の下敷きになった。
 自称魔女を見つめるの体は動いていない、おそらくのびているのだろう。つまり・・・
よし、今がここから逃げ出せる絶好のチャンスだ!
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登場人物紹介

主人公 ”俺(泥兵)” 

異世界に来てしまった際に自分自身の名前を忘れてしまい、体まで兜をかぶった泥人形というものに変わってしまっていた。

元いた世界でやりのこした事が沢山あるため戻ろうとするが、そのためには”元のセカイでの名前”が必要らしく、それを調べるには"全知の書"が必要らしいのでその本を探し始めた。

得意料理はオムライス、デトラに毎日三食食べさせている。


使える魔法?は”自己再生”

体が欠損したり吹き飛ばされたりしてもデトラの魔力があれば何度でもよみがえることが可能。ただし逆にデトラの魔力が尽きると体も再生しなくなりそのままただの泥に戻ってしまうらしい。

世界最強の 泥の魔女デトラ

俺を異世界に来させて泥人形にした挙句、俺に勝手に”泥兵(ドロヘイ)”と名前をつけた張本人だ。

身長は140cm、基本マイペースで面白いか面白くないかで全てを判断する無茶苦茶な思考の持ち主。何を考えているのかよくわからない。

母親から貰った目玉が着いた魔女帽子を大切にしている。

全身褐色肌なのに何故か右手だけ白い。

毎日三食オムライスなほどオムライス好きである。

デトラは自分の母さんの場所を知るために”全知の書”を探し始める。


使える魔法は”泥を自由に操る”

周囲にある泥を瞬時に固めて棒状に変形させて投げたり身を守るために壁を作ったり手のようにして物を掴むことも可能である。

泥鴉(ドロガラス)

基本マイペースで色々な場所を自由に飛び回っている泥の妖精。

体を筋肉ムキムキにしたり身体の4~5倍の大きさの物を運べたりと科学では説明できないこともできる。

俺はどこかで会ったことがあるような気がしたが本人は否定していた。

デトラがここに来る前からいたらしいが・・・一体何歳なんだ?

ベルティーナ

種族は半獣人らしく頭からは動物の角のようなものが生えている。

”謎の魔獣”を倒そうと仲間達を集めて戦ったらしいがベルティーナを残して全滅、辛うじて生きていた本人はそのまま川から流れてきた所を俺(泥兵)に発見させられる。話し方はデトラと違って丁寧だし露出度高めのボーイッシュなので良いと思う。


使える魔法は”千里眼”

”外道魔男” ”外道魔女”

魔法を使えるようになってしまい、奴隷や道具として扱われて世界に反発的な思考を持つようになってしまった魔法使いの総称。

様々な場所で虐殺行為や破壊活動をしているらしく、極めて危険らしい。


”魔法使い(魔男、魔女)”

 この異世界では魔法が使える人と使えない人が分かれており、俺のセカイでいう異能超能力系に近い。

 魔法が使えるようになることを”目覚め”というらしい。

 ”目覚め”た魔法はその人にしか使えない魔法であり能力が同じ人はその世界には存在しない。その能力が覚醒した女を魔女、男を魔男という。

 

 いつ”目覚め”てその印として右手にの甲にマークが浮かび上がるするかは人それぞれである。

 

 魔法には属性が7つ存在する。”烈火”水流”自然”闇”光”祝福”雷”虚空”―――それがこのセカイに存在していた魔法だが何故かそこには泥の魔女デトラが使う”泥”や”土”がない。


 デトラ本人はそれが何故か知らなかった。

 デトラとベルティーナは自分以外の魔女は初めて見るというほど魔女自体とてもレアなものだろう。


 魔法使いは場所によっては神と言われてあがめられるという、だが別の場所に行けば悪魔と言われて蔑まれたり、国同士の魔法使いの奪い合いで散々周囲の人間に引きずりまわされて一生を終える人も少くない。

 ”目覚め”を人工的に起こそうとするために残虐非道な実験を奴隷を使って行っていた国もあった。

 

 だから人によってはは魔法使いに”目覚め”てしまったことを”呪い”と言う人もいるそうだ。

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