(二)‐3

文字数 437文字

 そうして私も卒業して就職した。学生時代みたいにいつでも会えると言うわけじゃなかったけど、週末はなるべく二人過ごしたよね。そうやって私たちは愛を暖め続けたわ。
 そして去年のクリスマス、夕食で訪れたフレンチレストランで、あなたは私にプロポーズしてくれた。凄く嬉しかった。指輪ケースを開けて中を見せてくれたとき、私は感激して泣いてしまった。あの日のことは一生の思い出よ。

 その後、婚姻届を出す前に一緒に住もうということになり、私たちはお互い準備を始めたわ。アパートを引き上げて新居を探し始めた。
 最初のうちは乗り気で色々調べていたあなたは、いざ部屋を決める段になって、迷いを見せ始めたわよね。私が良さそうな物件を探してきても、あなたは乗り気じゃなかったし、自分で探そうともしなくなってしまった。そしてしばらくすると、仕事が忙しいのか、あなたとはすれ違うことが増え始めた。あなたは土日も仕事に行くようになったし、私もあなたと一緒にいる時間が少なくなった。とても寂しかった。

(続く)
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