(二)‐4

文字数 498文字

 その後、送ったラインのメッセージが未読のままになることも増えていった。だから昨日、私はあなたに電話した。
 あなたは電話には出なかったけど、メッセージが送られてきた。
「急な用事ができた」
「実家のオフクロが出てくるっていうから、世話してくる」
 だから私は「じゃあ、挨拶に行くね」と送ったわ。すると、
「いや、来なくていいから」
 あなたはそう送ってきた。でもせっかくだったし「挨拶したいし」とメッセージを送った。
 でも結局あなたは「いいよ。こなくて。大丈夫だから」って。
 何よ。私たち、結婚するんじゃない。まだしていないけど、一緒に暮らしていくって決めたのに。お義母さんの世話だって、私はちゃんとみることができるわ。それなのに、なんかよそよそしい。

 そして今朝、仕事に出かけるために玄関で靴を履くときに、持っていた鞄を落としてしまったの。中から読みかけの恋愛小説が床に落ちたわ。そのときにしおりが地面に落ちた。押し花にしていた四つ葉のクローバーで作ったしおりが。葉っぱが一枚落ちて四つ葉が三つ葉になっちゃった。
 このときに気づくべきだったんだね。このときは急いでいたから気にしなかったのだけど。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み