第4話 女社長
文字数 1,715文字
女の恨み、つらみ、嫉妬は怖い
やった方は、わざとやった訳でもなく、悪気があった訳でもない。だから忘れる。しかしされた方は、いつまでも根に持つ ずっと忘れない事が しばしば起こる。
山本純子46歳は、あの有名な「From here」の女社長だ。「From here」は、近年一目置かれている デザイン会社だ。
5年前に社長に就任してから、企業の成績は鰻登りに、急成長を見せていて、マスメデアからも注目を集めている。
山本自身も若い頃からデザインを手懸けており、センスがよく、経営能力にも優れていたため、ここまで順風満帆に進んできた。
山本は独身を通し、仕事だけに生涯を捧げてきた。
だけど、忘れられない男が一人いた。
その男は自分と結婚するはずだったのに、ほかの女と結婚してしまった。その女が私から彼を奪ったと山本は思っている。彼はほかの女のものになったけれど、『社長』という力を使って、どうにかその男を繋いでおくことができている。
「はーい、質問あるひと~~っ!」
「社長、今回のプロジェクトには、前回と同じように、大人とお揃いの子供服も 販売しますか?」
「ん~、良い質問ね。そうね、今回もそれはやっていこうと思うの。大人だけじゃなくて、親子が、子供達もこの秋を楽しく過ごせる、秋の思い出を作れるように、ってコンセプトでやる予定よ。
私は2年前から構想を練っていて、今年の夏から、やっと世間様にお披露目する時が来て、社運をかけた一大企画なのよ。
第一弾のメロンシャーベット色のワンピースは、この夏大好評だったわ、売上額は 他社のデザイン会社を、押しのけて、全デザイン会社のこの夏の全商品中で一位を獲得したわ。
恋愛や仕事に上手くいかない20代から30代前半をターゲットにして、フルーツ色の洋服を着て、フレーズは..【┈┈ 心にビタミンを ┈┈ 麦わら帽子に メロンシャーベット色のワンピースを来ておでかけしてみて。君のこと みんな ほっとかないよ。】謳い、女性達の心を掴む事に成功したわ。この秋は 【第二弾 ほおずきの色 初恋色 えんじのブルゾン 頑張るあなたの心を温める.. 】 雑誌にももう掲載の契約を先週してきたわ。みんなでこのプロジェクトの成功を目指しら団結して、進めていって欲しいの」
山本のアイデアは、歳を重ねても、時代の先端をいっていた。若い人たちとのコミュニケーションをいつも取り、
古くて停滞しているものは、排除する。
そんな行き方だった。
純子は帰宅した。
40歳の時に一軒家を建てた。まだ住宅ローンが残っている。一緒に住む人はいなくて、大きい家に1人だ。
玄関を入ると廊下をぬけ、リビングのオフホワイト色のイタリア製の大きい皮のソファーに腰を下ろす
「はぁー。疲れた」
ガラスのローテーブルに、バンクリープアーペルのピアスとネックレスとブレスレットを外して、無造作に置く。
いつもは会社関係の他社の人達との食事会や、異業種交流会に出ては、夕食を過ごすことの多い純子だが、一人で自宅で夕食をする日もある。
冷凍のパスタをレンジで温め、ワイングラスに赤ワインを注ぐ
テレビをつけ、お笑い番組がやっていて、意識の半分観て、半分は番組を垂れ流す。
「このお笑い芸人、笑うツボが違うなぁ。。おもしろくない」
テレビの中の世界なのに、お笑い芸人にすら、プロフェッショナルな技術を求め、厳しく観てしまう。
純子は 10年前のことを思い出した
────────────
「今度、メッセにお笑い芸人の木枯らしはっちゃんが来るんだって。」
「えっ見に行きたい!あの人面白いよね~。笑っちゃう。」
「うんうん。私もあの人好き。」
「それじゃ、休み合わせて、3人で見に行こうよ」
────────────
純子( あの時は、楽しかったのにな。。 )
今はもうあの頃には戻れない。失ったものもあるし、でも手に入れたものもある。 わたしは この道を 自分の意思で 進んできた。 両方手に入れるなんて 欲が深くて、、。そんな全ては、手に入れられないように、世の中はできているのよね。
順子は、ソファーに深くもたれかかって、楽しかった若かりし頃の思い出と一緒に、グラスに入っていたワインを飲み干した。
やった方は、わざとやった訳でもなく、悪気があった訳でもない。だから忘れる。しかしされた方は、いつまでも根に持つ ずっと忘れない事が しばしば起こる。
山本純子46歳は、あの有名な「From here」の女社長だ。「From here」は、近年一目置かれている デザイン会社だ。
5年前に社長に就任してから、企業の成績は鰻登りに、急成長を見せていて、マスメデアからも注目を集めている。
山本自身も若い頃からデザインを手懸けており、センスがよく、経営能力にも優れていたため、ここまで順風満帆に進んできた。
山本は独身を通し、仕事だけに生涯を捧げてきた。
だけど、忘れられない男が一人いた。
その男は自分と結婚するはずだったのに、ほかの女と結婚してしまった。その女が私から彼を奪ったと山本は思っている。彼はほかの女のものになったけれど、『社長』という力を使って、どうにかその男を繋いでおくことができている。
「はーい、質問あるひと~~っ!」
「社長、今回のプロジェクトには、前回と同じように、大人とお揃いの子供服も 販売しますか?」
「ん~、良い質問ね。そうね、今回もそれはやっていこうと思うの。大人だけじゃなくて、親子が、子供達もこの秋を楽しく過ごせる、秋の思い出を作れるように、ってコンセプトでやる予定よ。
私は2年前から構想を練っていて、今年の夏から、やっと世間様にお披露目する時が来て、社運をかけた一大企画なのよ。
第一弾のメロンシャーベット色のワンピースは、この夏大好評だったわ、売上額は 他社のデザイン会社を、押しのけて、全デザイン会社のこの夏の全商品中で一位を獲得したわ。
恋愛や仕事に上手くいかない20代から30代前半をターゲットにして、フルーツ色の洋服を着て、フレーズは..【┈┈ 心にビタミンを ┈┈ 麦わら帽子に メロンシャーベット色のワンピースを来ておでかけしてみて。君のこと みんな ほっとかないよ。】謳い、女性達の心を掴む事に成功したわ。この秋は 【第二弾 ほおずきの色 初恋色 えんじのブルゾン 頑張るあなたの心を温める.. 】 雑誌にももう掲載の契約を先週してきたわ。みんなでこのプロジェクトの成功を目指しら団結して、進めていって欲しいの」
山本のアイデアは、歳を重ねても、時代の先端をいっていた。若い人たちとのコミュニケーションをいつも取り、
古くて停滞しているものは、排除する。
そんな行き方だった。
純子は帰宅した。
40歳の時に一軒家を建てた。まだ住宅ローンが残っている。一緒に住む人はいなくて、大きい家に1人だ。
玄関を入ると廊下をぬけ、リビングのオフホワイト色のイタリア製の大きい皮のソファーに腰を下ろす
「はぁー。疲れた」
ガラスのローテーブルに、バンクリープアーペルのピアスとネックレスとブレスレットを外して、無造作に置く。
いつもは会社関係の他社の人達との食事会や、異業種交流会に出ては、夕食を過ごすことの多い純子だが、一人で自宅で夕食をする日もある。
冷凍のパスタをレンジで温め、ワイングラスに赤ワインを注ぐ
テレビをつけ、お笑い番組がやっていて、意識の半分観て、半分は番組を垂れ流す。
「このお笑い芸人、笑うツボが違うなぁ。。おもしろくない」
テレビの中の世界なのに、お笑い芸人にすら、プロフェッショナルな技術を求め、厳しく観てしまう。
純子は 10年前のことを思い出した
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「今度、メッセにお笑い芸人の木枯らしはっちゃんが来るんだって。」
「えっ見に行きたい!あの人面白いよね~。笑っちゃう。」
「うんうん。私もあの人好き。」
「それじゃ、休み合わせて、3人で見に行こうよ」
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純子( あの時は、楽しかったのにな。。 )
今はもうあの頃には戻れない。失ったものもあるし、でも手に入れたものもある。 わたしは この道を 自分の意思で 進んできた。 両方手に入れるなんて 欲が深くて、、。そんな全ては、手に入れられないように、世の中はできているのよね。
順子は、ソファーに深くもたれかかって、楽しかった若かりし頃の思い出と一緒に、グラスに入っていたワインを飲み干した。