第10話 虫愛づる姫?(六)
文字数 1,174文字
やは肌のあつき血汐に触れも見で
さびしからずや道を説く君
姫、あなたの語彙の自由さには、心より敬服仕ります。
ああ、それにしても残念なのは後朝の別れを味わえぬこと……
飲んでみたかったなあ…
外(と)つ国よりもたらされし悪魔の実を、地獄の業火で焙りて作りたる漆黒の水を
だからって、絶対そうしなければいけないということはないでしょ!
わたしはね、本当に大事なのは、男女が会ってからだと思うのよ。
最初のデートは手をつなぐだけ。二回目は、盛り上がったら口吸いもあるかもだけど、まあ、それも状況次第ね!
「虫愛づる姫?」~fin~
※本作は、『堤中納言物語』の一篇「虫めづる姫君」のオマージュです。虫に関しては絶対王者の姫ですが、源信頼がいたずらで送ったオモチャの蛇にだけは参ったようです。