第8話 虫愛づる姫?(四)
文字数 1,380文字
あ、あの、この時代にない言葉をお使いになりませんように……。
それから、姫は先ほどから私のことを〈右馬の佐〉とお呼びになっていますが、〈右馬の佐〉は私の名ではありません。
私は源信頼(みなもとののぶより)と申します。
右馬の佐とは、右馬寮(うめりょう)の次官である私の役職名でございます…
五節の舞っていうのは新嘗祭――つまり、その年の豊作を感謝して神に奉げる舞でしょ。
そんな神聖な舞をまう少女たちを、変態おじさんがすっごくいやらしい目で舐め回すように見てるわけじゃない?
――考えただけで虫唾が走るわ!
かさ、かさ…
かさかさ、かさかさかさ……