第4話

文字数 1,309文字





 話を戻そう。
 Switch版の『月姫』を今年の初めに買ったのだが、全然プレイしてなくて、この文章を書き始めた日の前日、やっとメインヒロインが登場するところまで進んだ、という話を冒頭にした。で、このメインヒロイン、初登場直後、惨殺されるのである。バラバラにされるのだ。
 ネタバレを避けるべき、衝撃的なシーンなのであるが、ここがまさに〈伝奇物〉と呼ばれるジャンルであり、当時の〈シーン〉を思い出すことになる〈猟奇的〉な場面なのである。
 そしてTYPE-MOONが続く『Fate/staynight』を出す頃には美少女ゲームのフィールドのメインストリームに〈伝奇物〉が食い込んでくることになる。
 これを書いている頃に30th Anniversaryの『ONE』という美少女ゲームがある。『ONE』から、『Kanon』、『AIR』、『CLANAD』という〈泣きゲー〉と呼ばれるジャンル、または〈難病物〉と呼ばれるジャンルの流れは、2020年の段階で飛び火したかのように「ライト文芸」と呼ばれる「新しい」とされる小説のテーマで繰り返しヒット作を生み、新しい潮流のひとつになっているが、それは90年代後半からゼロ年代の美少女ゲームが得意としたところであった。minoriというブランドの美少女ゲームのムービーを、新人でまだ売れていなかった頃の新海誠が制作していたので、流れとしては、僕が今語っていることはそんなに的外れではなく、美少女ゲームからの流れというのは確実につながっている。
 その泣きゲーに食い込んできたのが、伝奇である。なにせアーキタイプが『吸血鬼ハンターD』なのである。元からセックス&バイオレンスだ!! なので、今現在、えろを抜きにしても、パワーを持っているブランドは前に名前を出した虚淵玄を擁するニトロプラスである。なお、ニトロプラスのスマートフォンゲーム『刀剣乱舞』は、何故制作するのが速く済んだかというと、ニトロプラス(現ニトロプラスオリジン)の美少女ゲーム『装甲悪鬼村正』をつくるときに全国からかき集めた刀剣などの資料が存在し、また、ニトロにはボーイズラブゲームのセクションであるニトロプラスキラルが存在していたから、その〈悪魔合体〉によるらしい。
 僕が「いつかこんな作品をつくりたい」と憧れているSFミステリである『PSYCHO-PASS』は最初、ニトロプラスキラルのボイスドラマ企画から始まった。
 ここでボイスドラマ、という言葉が出てきたが、この歴史は古く、少し前に男性オタクたちがASMRと言い出す40年近く前には、ほもCDとの愛称で呼ばれていた『ボーイズラブのドラマCD』がたくさん流通していた。ドラマと銘打っているが、内容の半分以上がイケボのあえぎ声であったと言われる。
 男性メディアに戻るが、そもそもだが1984年の段階ですでにアダルトアニメは存在していて、特に『くりいむレモン』は「美少女アニメ」とも呼ばれるアダルトアニメの先駆けである。あと、その作品が〈百合物〉要素もあることにも注目して欲しい。

 全然話が「戻っていない」な! あきれるくらいに。
 本題に入りたいところだ。
 話を続けよう。


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