(二)-8

文字数 205文字

 多賀の家を出て、前と同じように掲示板に書き込みをしたが、その日は誰からも連絡がこなかった。そのため、その日は終夜営業のすかいらーくで夜を明かした。
 翌日、新田一郎という男から連絡が来た。恵美里は上野駅でその男と会った。細身で眼鏡をかけたスーツ姿の会社員だった。スーツの上着の襟には襟章が着いていた。どこの会社のものかはわからなかった。なんとか商事とかいう一流企業で経理の仕事をしていると、後で聞いた。

(続く)
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