Melty Snow
文字数 4,189文字
今日は待ちに待った「Melty Snow」当日。運営スタッフである私、風上百合 にとって人生最高の記念日になる日だ。なんと言っても、今日のステージには私の推しであるシン様が登場なさるのだから。私はシン様、もとい「表裏一体」をデビュー当初から応援し続け、全楽曲の歌詞も振り付けも完璧に覚えている筋金入りのファン。彼の下積み時代も知る私から言わせれば、音楽好きにとっての真冬の風物詩「野外フェス Melty Snow」にシン様の出演が決まった時は「ようやく時代が追いついてきたか」と感慨深く思ったものだ。当フェスの運営事務局で働く私は、その吉報を職場で聞き、デスクで感涙を流したのがつい先日のように思い出される。
私の今日の役割はというと、アーティストの方々を楽屋からステージ袖へと案内する係を仰せつかっている。本来であれば、私のような若輩者がこんな重責を担うことはありえない。しかし運よく、いや残念ながら先輩がインフルエンザに罹り、直属の部下である私が急遽代打に出ることになり、シン様のお目にかかるチャンスが降ってきたというわけなのだ。これはきっと、直向きに仕事と向き合ってきたご褒美に違いない。神様、ありがとうございます!
シン様の魅力は星の数ほどあるが、やはり謎に包まれたその素顔に惹かれるファンは多い。アーティスト名以外は非公開となっており、本名はおろか出身地や年齢も明らかにされておらず、リークもしない。そんななか、私は運営スタッフの立場を利用してシン様とさりげなくコミュニケーションをとり、鉄壁のベールを剥がそうと密かに目論んでいる。一部でも1ミリでもいいから、私だけしか知らないシン様に出会いたいのだ。だが、代打スタッフとして指名される際に「職権濫用をしないこと」を約束させられている。なので、いち社会人としての尊厳を胸に、行き過ぎた行動で約束を反故にしないよう、ギリギリのラインを狙っていこうと思う。
早朝から打ち合わせや準備などで忙しくしているが、胸の高鳴りの方が強く、全く苦にならない。オープニングアクトや午前中に出演するアーティストが続々と会場入りする中、私はシン様のご来場のみを心待ちにやるべきことをこなしていく。タイムテーブル上での彼の出演は午後二時、そしてお昼過ぎの会場入りを予定していた。
開場時間を迎えてさらに現場は慌ただしくなり、あっという間に午前中最後のアーティストの案内を終えた。続けて出演者用のドリンクを並べていると、後輩の花栄晃一 に話しかけられた。
「センパーイ!お昼休憩の交代っす」
「はーい。もうこんな時間かあ、早いね」
腕時計は11時半を示す。あまりの忙しさに午前中の体感時間は30分程度だった。
「たしかに。そうそう、スタッフ用のお弁当豪華でしたよ。いま休憩室空いてるんで、ゆっくりしてきてください」
「うん、ありが……」
その時だった。遠くから、聞き馴染みのある声が耳に届いた。
「おはようございます」
まだ姿は見えないが間違いない。シン様の声がする。
「センパイ、挙動不審になってますよ。約束忘れてませんよね?」
「だ、大丈夫よ」
「へえ?その顔で大丈夫って言われても困りますよ」
どんな顔をしているかはわからないが、彼はそう言いながら私のスタッフパーカーの腰元を摘む。そしてついに、シン様のご登場とあいなった。黒いダウンコートを片手に、同じく黒くて小さなキャリーケースを携えている。既に「インソムニアダーク」の衣装を身に纏い、ふわもふちゃんも一緒にいた。
「おはようございます。よろしくお願いいたします」
彼は一介のスタッフである私たちにも足を止め、腰を折って挨拶してくれた。その笑顔たるや、爽やかのレベルがリミッターを振り切っている。
「おはようございまーす!シンさん、今日もいい感じに仕上がってますね!」
「ありがとうございます花栄さん。またお会いできましたね、嬉しいです」
「へへへ」
彼は私にも目配せし、「では」と言い残して去っていった。その残り香を堪能していると、花栄くんがパーカーをそっと手放した。そこでふと我に戻り、興奮冷めやらぬ状態で花栄くんに詰め寄る。
「ねえ!!花栄くんてシン様と知り合いなの?!」
「知り合いというか、会場スタッフとして面識があるだけっす。俺、この事務局入る前はライブハウスで働いてたんで、結構初期の頃からシンさん見てるんですよね」
「何それもっと詳しく!!」
「いや、あの、センパイは昼休憩を……」
ただならぬ熱量に気圧され、彼は少しだけ私の休憩に付き合ってくれた。
***
昼休憩を終え、今度は空いた楽屋の片付けやケータリングの追加手配に追われていた。あわよくばステージ袖でライブ鑑賞をするつもりだったが、そううまくはいかないらしい。次のアーティスト案内の時刻を確認しつつ、10分の空き時間ができたので休憩室へと足をむけた時、奇跡がおきた。
「あ、シン様だ……!」
彼はキョロキョロと辺りを見回しながら、こちらに向かって廊下を歩いてくるではないか。百合よ、これをチャンスと呼ばずになんと言おう。お目付役の花栄くんがそばにいないのをいいことに、私は心置きなくシン様へと駆け寄った。
「お、お疲れさまです!あ、あの、何かお探しですか?」
彼は柔らかい微笑みを浮かべ、「恐れ入ります」と前置きしてから向き合ってくれた。
「ふわもふを見かけませんでしたか。そろそろ出番なのですが、姿が見当たらなくて」
「残念ながら見てないですね。あの、よかったら一緒に探しますよ。1人より2人の方がきっと早く見つかります」
「それは心強い。ですが、つまらぬことに付き合わせてしまい申し訳ありません。きっとあなたもお忙しいでしょうに」
(つまらぬことなどございません。申し訳ないなんてありえません。おそばにいられるなら、たとえ地獄の底でもお供します!)
そんな心の声が漏れないよう奥歯を食いしばり彼の隣に立ったところで、花栄くんの声が響いてきた。
「シンさーん!」
走りくる彼はふわもふちゃんを小脇に抱えている。おいこら、花栄くん。タイミングというものを弁えたまえよ。こちらの苛立ちを察知したのか私には目を合わせずに、彼はまっすぐシン様を見据えている。
「そろそろ出番ですよね?ふわもふちゃんいりますよね?」
「花栄さん、さすがですね。ちょうど探していたところなんです」
ふわもふちゃんは花栄くんの腕を離れ、嬉しそうにシン様に抱きついた。
「だめだろう。どこに行ってたんだい?」
必死に答えようとするふわもふちゃんをよそに、花栄くんが説明を加える。
「スタッフ用の休憩室にいましたよ。みんなが遊んでくれて楽しかったみたいで」
「そうでしたか。どうぞ皆様によろしくお伝えくださいね。ほら、ふわもふ。ちゃんとありがとうしなさい」
するとふわもふちゃんは頷いて、花栄くんの胸元に近寄り、そして一瞬片手が縮んだかと思うと体内からピンク色のキャンディを取り出した。
「もふっ!」
「やったあ、ありがとう!」
体からキャンディが出るという謎の現象に呆気に取られていると、ふわもふちゃんは私に近づき今度はひと口チョコレートを取り出してみせた。
「もふっ!」
「え……?」
驚きっぱなしで動けずにいる私に、シン様が優しく言葉を添えてくれた。
「ご安心ください。普通のチョコレートですから」
「あ、はい……」
チョコレートを受け取る様子を見届けたシン様はふわもふちゃんをひと撫でし、慈悲深い表情に包まれている。その様子を見たこちらまで心が洗われるよう。
「では私はこれで失礼します。お二人とも本当にありがとうございました」
頭を下げ去ろうとするも、何かを思い出した仕草をしてからにっこり笑ってこう言った。
「そうそう。こういうときは“痣下 ”ですよね」
“紅 ”と同じ抑揚で言う「痣下」とは一体何だろう。その意図を汲み取ろうと必死になる私の横で、同じく花栄くんも首を傾げている。
「シンさん、もしかして何か勘違いしてません?」
「おや?雄々しい男は“ありがとうございます”を“痣下”と表現すると聞いたのですが……」
「ハハハッ!シンさん、ウケる!それイントネーション違いますよ。“あざした”っす」
「“あざした”?」
「そうです!あざした、っすね」
「なるほど。よかった。おかげでファンの皆さんにカッコ悪い姿を見せずに済みましたよ。また今度、色々とご教授ください」
「はい!お安い御用っす!」
再度お礼を述べて、今度こそ楽屋へと戻っていくシン様。小声で何やら呟いている。
「あざしたっ」
「もふー!」
「あざしたっ」
「もふもふー!」
発音練習に励む彼の後ろ姿を見送りながら、花栄くんが満足そうに腕組みをする。
「いやあ、前から思ってたんですけどシンさんってホント真面目な人ですよねえ。勉強熱心と言うか、向上心の塊というか。……センパイ?」
茫然と立ち尽くす私の顔色を伺う彼。反応を返したくても、頭と心がいっぱいで何も言葉にできなかった。
「あ。センパイもしかして、泣きそうなんですか?想像と違うシンさんを目の当たりにして、幻滅しちゃったんですか?大丈夫ですか?」
幻滅なんてしてない。むしろ、上品で素敵な大人だなって思ったもの。ああどうしよう、心の声が溢れ出そう。
「あぁーもうっ!!何あの可愛い生き物!!?マジ無理しんどい尊すぎっ!!!」
そんなこんなでシン様との初対面を果たした私は、花栄くんの粋な計らいによりシン様のショータイムのみスタージ袖でライブ鑑賞することができた。こんな特等席から生歌を拝聴することができるなんて。神様、本当にありがとうございます。
彼のショータイムはアルティメットハニーを挟みつつ、インソムニアダークの楽曲で終わりを迎えたが、去り際は「あざした」ではなく、いつものように「ありがとうございました」と締めくくっていた。やっぱり想像していた通りに、最高のアーティストだ。
私の今日の役割はというと、アーティストの方々を楽屋からステージ袖へと案内する係を仰せつかっている。本来であれば、私のような若輩者がこんな重責を担うことはありえない。しかし運よく、いや残念ながら先輩がインフルエンザに罹り、直属の部下である私が急遽代打に出ることになり、シン様のお目にかかるチャンスが降ってきたというわけなのだ。これはきっと、直向きに仕事と向き合ってきたご褒美に違いない。神様、ありがとうございます!
シン様の魅力は星の数ほどあるが、やはり謎に包まれたその素顔に惹かれるファンは多い。アーティスト名以外は非公開となっており、本名はおろか出身地や年齢も明らかにされておらず、リークもしない。そんななか、私は運営スタッフの立場を利用してシン様とさりげなくコミュニケーションをとり、鉄壁のベールを剥がそうと密かに目論んでいる。一部でも1ミリでもいいから、私だけしか知らないシン様に出会いたいのだ。だが、代打スタッフとして指名される際に「職権濫用をしないこと」を約束させられている。なので、いち社会人としての尊厳を胸に、行き過ぎた行動で約束を反故にしないよう、ギリギリのラインを狙っていこうと思う。
早朝から打ち合わせや準備などで忙しくしているが、胸の高鳴りの方が強く、全く苦にならない。オープニングアクトや午前中に出演するアーティストが続々と会場入りする中、私はシン様のご来場のみを心待ちにやるべきことをこなしていく。タイムテーブル上での彼の出演は午後二時、そしてお昼過ぎの会場入りを予定していた。
開場時間を迎えてさらに現場は慌ただしくなり、あっという間に午前中最後のアーティストの案内を終えた。続けて出演者用のドリンクを並べていると、後輩の
「センパーイ!お昼休憩の交代っす」
「はーい。もうこんな時間かあ、早いね」
腕時計は11時半を示す。あまりの忙しさに午前中の体感時間は30分程度だった。
「たしかに。そうそう、スタッフ用のお弁当豪華でしたよ。いま休憩室空いてるんで、ゆっくりしてきてください」
「うん、ありが……」
その時だった。遠くから、聞き馴染みのある声が耳に届いた。
「おはようございます」
まだ姿は見えないが間違いない。シン様の声がする。
「センパイ、挙動不審になってますよ。約束忘れてませんよね?」
「だ、大丈夫よ」
「へえ?その顔で大丈夫って言われても困りますよ」
どんな顔をしているかはわからないが、彼はそう言いながら私のスタッフパーカーの腰元を摘む。そしてついに、シン様のご登場とあいなった。黒いダウンコートを片手に、同じく黒くて小さなキャリーケースを携えている。既に「インソムニアダーク」の衣装を身に纏い、ふわもふちゃんも一緒にいた。
「おはようございます。よろしくお願いいたします」
彼は一介のスタッフである私たちにも足を止め、腰を折って挨拶してくれた。その笑顔たるや、爽やかのレベルがリミッターを振り切っている。
「おはようございまーす!シンさん、今日もいい感じに仕上がってますね!」
「ありがとうございます花栄さん。またお会いできましたね、嬉しいです」
「へへへ」
彼は私にも目配せし、「では」と言い残して去っていった。その残り香を堪能していると、花栄くんがパーカーをそっと手放した。そこでふと我に戻り、興奮冷めやらぬ状態で花栄くんに詰め寄る。
「ねえ!!花栄くんてシン様と知り合いなの?!」
「知り合いというか、会場スタッフとして面識があるだけっす。俺、この事務局入る前はライブハウスで働いてたんで、結構初期の頃からシンさん見てるんですよね」
「何それもっと詳しく!!」
「いや、あの、センパイは昼休憩を……」
ただならぬ熱量に気圧され、彼は少しだけ私の休憩に付き合ってくれた。
***
昼休憩を終え、今度は空いた楽屋の片付けやケータリングの追加手配に追われていた。あわよくばステージ袖でライブ鑑賞をするつもりだったが、そううまくはいかないらしい。次のアーティスト案内の時刻を確認しつつ、10分の空き時間ができたので休憩室へと足をむけた時、奇跡がおきた。
「あ、シン様だ……!」
彼はキョロキョロと辺りを見回しながら、こちらに向かって廊下を歩いてくるではないか。百合よ、これをチャンスと呼ばずになんと言おう。お目付役の花栄くんがそばにいないのをいいことに、私は心置きなくシン様へと駆け寄った。
「お、お疲れさまです!あ、あの、何かお探しですか?」
彼は柔らかい微笑みを浮かべ、「恐れ入ります」と前置きしてから向き合ってくれた。
「ふわもふを見かけませんでしたか。そろそろ出番なのですが、姿が見当たらなくて」
「残念ながら見てないですね。あの、よかったら一緒に探しますよ。1人より2人の方がきっと早く見つかります」
「それは心強い。ですが、つまらぬことに付き合わせてしまい申し訳ありません。きっとあなたもお忙しいでしょうに」
(つまらぬことなどございません。申し訳ないなんてありえません。おそばにいられるなら、たとえ地獄の底でもお供します!)
そんな心の声が漏れないよう奥歯を食いしばり彼の隣に立ったところで、花栄くんの声が響いてきた。
「シンさーん!」
走りくる彼はふわもふちゃんを小脇に抱えている。おいこら、花栄くん。タイミングというものを弁えたまえよ。こちらの苛立ちを察知したのか私には目を合わせずに、彼はまっすぐシン様を見据えている。
「そろそろ出番ですよね?ふわもふちゃんいりますよね?」
「花栄さん、さすがですね。ちょうど探していたところなんです」
ふわもふちゃんは花栄くんの腕を離れ、嬉しそうにシン様に抱きついた。
「だめだろう。どこに行ってたんだい?」
必死に答えようとするふわもふちゃんをよそに、花栄くんが説明を加える。
「スタッフ用の休憩室にいましたよ。みんなが遊んでくれて楽しかったみたいで」
「そうでしたか。どうぞ皆様によろしくお伝えくださいね。ほら、ふわもふ。ちゃんとありがとうしなさい」
するとふわもふちゃんは頷いて、花栄くんの胸元に近寄り、そして一瞬片手が縮んだかと思うと体内からピンク色のキャンディを取り出した。
「もふっ!」
「やったあ、ありがとう!」
体からキャンディが出るという謎の現象に呆気に取られていると、ふわもふちゃんは私に近づき今度はひと口チョコレートを取り出してみせた。
「もふっ!」
「え……?」
驚きっぱなしで動けずにいる私に、シン様が優しく言葉を添えてくれた。
「ご安心ください。普通のチョコレートですから」
「あ、はい……」
チョコレートを受け取る様子を見届けたシン様はふわもふちゃんをひと撫でし、慈悲深い表情に包まれている。その様子を見たこちらまで心が洗われるよう。
「では私はこれで失礼します。お二人とも本当にありがとうございました」
頭を下げ去ろうとするも、何かを思い出した仕草をしてからにっこり笑ってこう言った。
「そうそう。こういうときは“
“
「シンさん、もしかして何か勘違いしてません?」
「おや?雄々しい男は“ありがとうございます”を“痣下”と表現すると聞いたのですが……」
「ハハハッ!シンさん、ウケる!それイントネーション違いますよ。“あざした”っす」
「“あざした”?」
「そうです!あざした、っすね」
「なるほど。よかった。おかげでファンの皆さんにカッコ悪い姿を見せずに済みましたよ。また今度、色々とご教授ください」
「はい!お安い御用っす!」
再度お礼を述べて、今度こそ楽屋へと戻っていくシン様。小声で何やら呟いている。
「あざしたっ」
「もふー!」
「あざしたっ」
「もふもふー!」
発音練習に励む彼の後ろ姿を見送りながら、花栄くんが満足そうに腕組みをする。
「いやあ、前から思ってたんですけどシンさんってホント真面目な人ですよねえ。勉強熱心と言うか、向上心の塊というか。……センパイ?」
茫然と立ち尽くす私の顔色を伺う彼。反応を返したくても、頭と心がいっぱいで何も言葉にできなかった。
「あ。センパイもしかして、泣きそうなんですか?想像と違うシンさんを目の当たりにして、幻滅しちゃったんですか?大丈夫ですか?」
幻滅なんてしてない。むしろ、上品で素敵な大人だなって思ったもの。ああどうしよう、心の声が溢れ出そう。
「あぁーもうっ!!何あの可愛い生き物!!?マジ無理しんどい尊すぎっ!!!」
そんなこんなでシン様との初対面を果たした私は、花栄くんの粋な計らいによりシン様のショータイムのみスタージ袖でライブ鑑賞することができた。こんな特等席から生歌を拝聴することができるなんて。神様、本当にありがとうございます。
彼のショータイムはアルティメットハニーを挟みつつ、インソムニアダークの楽曲で終わりを迎えたが、去り際は「あざした」ではなく、いつものように「ありがとうございました」と締めくくっていた。やっぱり想像していた通りに、最高のアーティストだ。