もし最終決戦で敗北したら ~レナリア編~
文字数 4,383文字
敗北……それは絶望の味……
ラドン帝国軍に敗北し捕らえられたタツヤ達だが、何故かタツヤはいなかった。
———ラドンの応接間にて———
「いやぁ~ステラさんのお陰で勝てました。なんとお礼を申し上げてよいか……今後とも我々ラドン帝国を宜しくお願い致します」
無線機らしき機械で話している男の名前はラドン。ラドン帝国の皇帝である。
数年前にラドン帝国を一瞬で築き上げ皇帝になったが、猟奇的かつ極めて残忍な性格で知られる独裁者であり、聞こえてくる噂も人体実験、人身売買、公開処刑など悪評ばかりである。
更にラドン帝国は国家の体を成しているとはとても言えない破綻国家であり、国民の大半は飢饉と伝染病に苦しんでいた。
「いえいえ、お役に立てて何よりです。今後とも我々VIDENT(ヴァイデント)を宜しくお願いしますね、ラドン閣下」
無線機からはステラと呼ばれたVIDENTの幹部らしき若い女性の声が聞こえてきた。
「報酬はアイリスさんにお渡ししましたが、ご確認は取れましたか?」
「ええ、当職員から確認いたしました。色まで付けて頂き閣下からのご厚意は誠に痛み入ります」
「そうでしたか。それは何よりです……。おや、時間になりましたのでこれにて私は失礼いたします」
「またお困りでしたらご連絡くださいね」
プツッ…そう言った瞬間無線が切れた。
「クックックッ……VIDENTがいる限り我々は安泰だな。ケヒヒヒヒッ!!」
ラドンはほくそ笑んでいた。
しばらくしてラドンの応接間の扉が開いた。
「よぉラドン。女を連れてきたぜ。こいつでいいのかぁ?」
黒髪の青年が紫髪の女性を抱えて入ってくるなり、抱えた女性を床に落として言った。
紫髪の女性は気を失っていた。
「その女で間違いない。ご苦労だったなティルド殿」
「じゃあ俺様は戻るぜ。ゲインズ王国の人間の大半を消し去る兵器が起動するまでは兵器を守らなけりゃあならねえからな。まぁ雑魚が大勢束になった所で俺様に勝てるとは思えねえが」
「油断はなされるな。まだハーツ達が残っている。流石にティルド殿でも容易くはいくまい」
「おいおい俺様を誰だと思ってやがるよ。天下無双の大英雄ティルド様だぜ? あんな雑魚(カス)共俺様一人で十分よ」
「だといいのだがな……用心に越した事はないだろう」
「まぁ任せておけって。あばよ」
そう言うとティルドは応接間から出て行った。
ティルドが出て行った後、ラドンは指パッチンをして部下を呼んだ。
「おい貴様ら、畜舎小屋に向かうぞ。その女を縛って運んで来い」
「イエッサー!」
部下の兵士たちは紫髪の女性を抱えて、ラドンと共に応接間を出て畜舎小屋へ向かった……。
———畜舎小屋にて———
「う、うーん……。 あれ……ここは……? そういえば、あたし達は雷に打たれて……」
紫髪の女性が目を覚まして辺りを見渡すと、そこは畜舎小屋であった。
「なんであたし畜舎小屋に……? さっきまではフルーレ公国の城にいたはず……それにみんなはどこ……?」
色々と疑問は尽きなかったが、次の瞬間女性の意識は鼻につく不快な声に向かった。
「お目覚めかな、レナリア・メーヴェラック。ようこそ俺の畜舎小屋へ」
「ラドン!! 貴様は……、夫を奪った貴様だけはこの手で……!」
レナリアは激怒した。目の前には彼女の最愛の夫を手に掛けた男がいた。
早速彼女は自分の弓を取ろうと……
したが手や腕が動かなかった。レナリアは愕然とした。
「腕が動かない……?」
「この手で殺す、か? ハハハハハ、残念だったなぁ~。俺が反撃を喰らうようなヘマでもやらかす間抜けとでも思ったか?」
もう一度よく見ると、レナリアの体は木で出来た拷問器具に固定されていた。
彼女の尻には座布団らしき物が敷かれ、彼女の足首と手首と首は、身動きが殆ど出来ない程小さな穴に嵌め込まれていたのだった。
「……!!」
「クックック…。自分の置かれた状況をようやく理解できたようだな?」
「クソッ…! あたしをどうする気だ!!」
「どうするか、だと? オイ! やれ」
「イエッサー!」
「ゴガッ…フググググ……」
次の瞬間ラドンの兵士が、レナリアの口にハンカチを押し込み、猿轡を嵌めた。
「これで万に一つの反撃と自殺の目も消えたな。お楽しみはこれからだ」
ラドンが指をパチン、と鳴らすと部下の兵士はレナリアの足首を拘束している器具の前にひざまずき、ブーツに手を伸ばした。
右足のブーツが引っ張られるのを感じたときに息を呑み、必死に足首を動かして抵抗したがあっさり脱がされ、更に靴下も一瞬で脱がされてしまった。
次の瞬間レナリアは、冷たい空気が右足の足裏をなでる感触を感じた。
「ほう……実に素晴らしい。このすべすべした肌触り、瑞々しい肉感、土踏まずと母指球と踵のバランスの取れた美しいフォルム…何から何まで! フルーレ公国の女は上物が多いと聞いていたが、この女は別格だぁ!」
ラドンはレナリアの足裏のあらゆる部分に指を滑らせ、嬉々として語った。
このラドンの行動にレナリアは激しく震え、くぐもった叫び声をあげた。
「フゴオォォォォォ!! フガゴゴゴゴゴゴ!!!!」
続いて、部下がレナリアの左足のブーツを引っ張った時、彼女はラドンが何をしようとしているかを完全に理解した。
自分にくすぐり拷問をするつもりなのだと。
「フガゴゴガガゴゴゴ!! フガゴゴゴ!!」
激しく抵抗するも、左足のブーツも靴下も脱がされてしまう。
次の瞬間、レナリアの左足の足裏にもラドンは指を走らせた。
「フゴオォォォォォ!!」
「何度触ってもこの心地良い感触は格別だ…! 気が変わった、お前は殺さないでやる。殺すには流石に惜しい」
そう言いながらラドンはレナリアの両足の親指と小指を紐で縛り足を自由に動かせないように器具に固定した。
更にあろうことかレナリアの左足の足裏を自らの舌で舐め出した。
ペロッ…
レナリアは左足の足裏の母指球に伝わった強烈な不快感に心底恐怖し、声にならない叫び声を必死に上げた。
「フゴオォォォォ!! フンゴガォォォォォ!!!」
彼女の恐怖と不快感をよそに、ラドンは話を続ける。
「命は助けると言ったが理性は必要なかろう。余計な理性は取り除かねばならん。これから貴様は俺の玩具になるのだからな。 おい! ここへ例のアレを連れてこい!」
「イエッサー!」
例のアレ…? 一瞬そう考えた彼女の目は例のアレが何なのかを見た瞬間、色を失った。
なんとラドンの部下は、数匹の豚を連れてきたのだった。
「フンゴガォォォゴォォォ!!」
「ただこれだけでは理性を失わせるには足りんな。そうだ、いい事を思いついたぞ」
ラドンはそう言って、レナリアに不思議なガスを吹きかけた。
「フガゴォォォッ!?」
「それは感度を徐々に上昇させるガスだ。最終的には少し触られただけで体中が電撃に晒されたかの如く衝撃が走るようになるだろう。さあ、貴様の理性はいつまで保つかな? レナリア・メーヴェラック!」
レナリアの敏感な足裏の表面を嗅いでいる豚の鼻から鼻息を感じたとき、笑わずにはいられなかった。
豚の舌が左右の足裏を上下に滑るのを想像した時、恐怖と絶望に震え上がり、涙がボロボロと流れた。
ラドンに左足の足裏を少し舐められただけで、強烈な不快感を感じたのだ。それが数匹の豚ともなると……
ピチャッ…クチュッ…
「!!!!!!」
そしてついにその悪夢と絶望の瞬間は訪れた。
彼女の両足の土踏まずに強烈な舌の感覚が走った。
「フンゴガォォォゴォォォ!!フガゴゴフォゴフォフォゴゴゴゴ!!?」
レナリアはあまりのくすぐったさに絶頂しかけた。
もはやくすぐったすぎるという表現すら、控えめと思えるほどであった。
更に豚は土踏まずだけでなく彼女の足裏のあらゆる部分を余すことなく、熱心に舐め回した。
足指の付け根から母指球、土踏まずに踵…滑らかな舌が、彼女の柔らかく美しい足裏を弄り回した。
1分と待たずレナリアの顔は汗と涙だらけになり、呼吸は断続的になった。
「効果は抜群のようだな、無理もあるまい。レンジャーは総じて肌が敏感だからな。加えてこの感度上昇ガスだ。どうだ? 獣に足裏を舐め回される気分は」
レナリアは反応しなかった。否、反応する余裕すらなかったというべきであろうか。
彼女の足裏はすでに豚の唾液と汗で輝いており、足裏の肉は徐々に豚の勤勉な舌舐めに対して敏感になっていたのだ。
少しでも気を抜いたら気絶しかねない程の電撃のような感覚が常時体中に走っていたからか、呼吸すら困難な状態になっていた。
それから十数秒経ち、豚の舌がレナリアの左足の土踏まずを穿り、右足の母指球をなぞりあげた瞬間、
「フゴゴゴグググゥゥ……」
ついにレナリアは失禁し、気絶してしまった。
「ほう、ついに気絶したか。だが……」
ラドンはレナリアに光の魔術を掛けた。すると、
「…フンゴガォォォゴォォォ!?」
レナリアは気絶から無理矢理引き戻された。
「気絶したら終わると思ったようだがそうはさせん。安心しろ、この魔術を使っている限り酸欠も気絶も、そして餓死さえも絶対にありえない。言ったはずだ、命は助けると。喜ぶが良い、貴様を俺の至高の玩具にしてやろう」
「フンゴガォォォゴォォォ!!フガゴゴフォゴフォフォゴゴゴゴォォォォォ!!」
レナリアは絶望と苦悶に満ちた表情で、涙を流し泣き叫んだ。
この時ばかりは殆ど動かせなかった彼女の足裏も、わずかにピクピク動いたかに見えた。
ラドンの強力な回復魔術により気絶から強引に起こされる度に、レナリアの心と記憶の大事な部分にビキビキとひびが入っていった。
(あ…な……た……、タ…ツ……ヤ………さ………ん……)
想像を絶するくすぐったさに、レナリアの大切な思い出と記憶が塗り替えられていく……
———二日後———
レナリアはようやく拘束器具から解放され、応接間のベッドに移された。しかし……?
「ここ…どこ……? おにいさん…だれ……?」
「初めまして、私はラドン。君のお父さんだ。」
「おうち……かえりたい……」
「ここがおうちだよ」
「ここが……あたしの……おうち……」
「そう、おうちだ。いいかい、お父さんのいう事は絶対に逆らってはいけないよ、いいね?」
「はい…おとうさん……」
記憶と思い出を完全に失い、幼児退行してしまった。
タツヤや最愛の夫、仲間たちとの記憶を完全に忘れ、ラドンの玩具になり弄ばれ続けるのだ……
——— BAD END ~ラドンの玩具~ ———