もし最終決戦で敗北したら ~アニータ編~
文字数 7,946文字
敗北者は…… 全て破壊される運命……
クジャード達に負けた一行だがタツヤだけは居なかった。
———ゲインズ王国城下町にて———
2m近い非常に大柄な戦士と覆面をした忍者、忍者よりも大きい女騎士が何やら城門前で話をしている。
「あの女の末路を直で見たい、ですか…構いませんが理由をお聞かせ願えますか?」
女騎士が大柄な戦士と忍者に問うた。
「強いていうなら興味、だな。俺は職業柄多くの人間の死に際を見てきたがこういう形での末路ってのは見たことがねえんだ」
「彼女がどのような表情を浮かべ何を思い逝くのか…私もぜひ知りたいと思いまして。エクレール・キスリング隊長、叶えてやってはくれませんか?」
忍者と戦士はそれぞれそう返した。エクレールと呼ばれた女騎士は内心、
(しょーもな! 直でペロペロしたいんじゃねーのかよ…はぁ~これだから普通の男ってのは物足りねぇわ。やっぱダーリンみたいないい漢ってなかなかいないんだなぁ~)
と思いながらも、
「分かりました。劉さん、明さん、ついてきてください。極上の最期をお見せしましょう」
と劉と呼ばれた戦士と明と呼ばれた忍者に微笑みかけながら案内していった…。
———歩き始めて30分後、謎の建造物の入り口にて———
「ここです、着きました」
「随分遠い場所にあるんですね」
「表沙汰になると大問題になりますからね。内密にお願いしますよ?」
「俺らだって流石にゲインズ王国と事を構えたくねえよ」
「それは何より。さて参りましょうか、この奥の部屋です」
「しっかし随分歩くねえ…」
「そうですか?帰りがてらの運動には悪くないでしょう」
「寒さに慣れない俺にゃきついもんがありますぜ…」
そうこう言っているうちに彼らは謎の建造物の奥の部屋に辿り着いた。
エクレ―ルが部屋のドアを開けると緑髪の女性が両腕を後ろの柱に鎖で縛られ、両足も紐で縛られて台の上に長座座りさせられて力なく項垂れていた。
「ほう…この女(アマ)が」
「アニータ・バーンズ バーンズ家元令嬢ですか。かつての名家も堕ちたものだ」
「はぁ~い、アニータちゃ~ん♪」
「……。」
アニータと呼ばれた緑髪の女性は項垂れたまま返事をしなかった。
「またこういう形で会えるなんてもうあたしすっごく嬉しいじゃないのよぉ!!」
「………」
アニータは無言でエクレールをにらみつけた。
「そんなに怖い顔しないでよぉ~♪ お仲間が心配なんでしょう?」
「ッ……!」
その反応を見たエクレールはニヤリと笑って、
「図星みたいね。安心なさい、仲間はまだ死んでないわよ。これから生かすかどうかはあなた次第だけどね?」
「………」
「よく聞いてなさいな。これからゲームをする。あんたが30分口を開けずに耐えられたら仲間の命は助けてあげるわ。引き受けるならそのまま黙ってなさいな。信用できないと思うなら安心なさい、ここにギアス・ノートもあることだし。約束を書いたら破ったら不利益をこうむったり最悪死ぬのはあたしよ。さ、どうするのかしら、アニータちゃん?」
「………」
ギアス・ノート———契約内容と契約者名を書き、契約を破った場合には絶対の死を与える恐るべきノートである。
伝聞では聞いていたがまさか本当にあるとは思っていなかったようで少し驚いていた。
だがそのノートを見たアニータは項垂れて黙り込んだ。なぜならこういう時にエクレールは約束を破らない事を知っていたからである。あれを耐え切りさえすれば仲間の命は助かる…!そう思い彼女に闘志が舞い戻ってきたように見えた。
「ほう…引き受けるってか 仲間想いなこって泣けるねえ」
「随分見上げた義侠心ですね」
そう言いながらも劉と明は露骨に見下すような表情をしていた。
「劉虎龍さん、明生さん、この女の靴と靴下を脱がせていただけますか?」
「まさかあんたそういう趣味なのか…良いぜ、手を貸してやるよ」
「何とも変わった趣味ですね…まぁいいでしょう」
劉と明は困惑しながらもそう言うと劉はアニータの左足に、明はアニータの右足にそれぞれ近づき、一旦両足を縛っていた紐を一瞬で解くと彼女の両足を少し持ち上げ、あっという間にアニータの靴と靴下を脱がせてしまった。素足の足裏を赤の他人の前に晒すのは実はこれが初めてではなかったが相変わらずその屈辱は相当な物であった。というのも素足の足裏を人前に晒すのはゲインズ王国では極めて不名誉な事とされていたからである。
(ほう…随分綺麗な足裏なこって)
(苦労知らずにも見えますかね)
二人が離れると、エクレールはアニータが足を動かせないように紐でしっかり彼女の両足首を縛って固定した。
「それじゃ始めるわね、アニータちゃん♪ この砂時計の砂が落ちきるまでに口を開けなかったらあんたの勝ち、仲間はみんな生きて帰れるわ。でも口を開けちゃったらあんたの負けよ。あぁ、言い忘れてたけど気絶したりまずないと思うけど死んでも負けだからそのつもりでいてね?勿論あんたが縛られてる間はあたしは首を撥ねたり武器で刺したして傷つけるような真似はしないであげる。可愛い可愛いアニータちゃんの体をそんな形で傷つけるのはあたしとしても気が進まないしね」
そう言うと自分で話した内容をエクレールはさらさらとギアス・ノートに書いてアニータに確認させた。内心何をしらじらしいことを言っているのかと思いつつも書いた内容自体には何も問題はなかったので特に表情を変える事もなかった。
「………。」
(昔散々甚振っておいて何を今更……とはいえこれで約束を破るような真似は出来なくなったわね、やるんならさっさとしなさいよこの変態女!)
「それじゃLet's Start!!」
合図とともにエクレールは人差し指をアニータの足裏に這わせてきた。左手の指先が母指球の膨らみに触れるか触れないかのギリギリの位置で人差し指をゆっくり上下に揺らしている。
「…………。」
アニータは我慢強いが過去に足裏を長時間舐められ続けて失禁したトラウマもあって、足裏は明確な弱点であった。だがこの程度なら耐える事は何という事はなかった。
するとエクレールは右足裏では母指球にくるくる円を描きながら少しずつ円の半径を広げていき触れる点を少しずつずらしてなぞってくる。
左足裏では母指球をツンツン不規則につついて不規則に位置を変えて慣れさせないようにしてきた。
「………。」
アニータはこれにも動じなかったが、右足裏を回る指の円が足裏の中央に触れた時いきなり落ちるように下を滑って土踏まずを刺激してきた。
「!…………。」
これには少し応えたのかアニータは一瞬顔をしかめるもすぐに元の表情に戻った。
だがその流れを見計らったかのように今度は左足裏の方で土踏まずの中心に指を軽くツンと一突きした。すると
「ッ!………。」
流石にアニータもピクッと顔の表情を変えた。土踏まずに指先が当たるとそこから掻痒感が広がっていく。
スッと指を滑させるのと、ツンと土踏まずを突く動きが左右の足裏で不規則に起こり、波状攻撃に見舞われた。
「ッッ………!」
アニータはだんまりだったが、土踏まずを更に早く触られたらどうしよう…と思うとただでさえ敏感な彼女の足裏が更に敏感になってしまう。
だがエクレールはあくまで二つの動きを不規則に繰り返すだけで特にそれ以上は何もせず焦らし続けアニータに我慢を強いていた。
ふと砂時計に目をやると砂は半分の半分落ちてるか落ちてないか微妙な所だった。
(砂は正常に落ちている……。ならばこれをあと3回ほど耐えれば…!)
そう思った矢先、
「へぇ~耐えられるようになったんだぁ、昔はすぐ音を上げてたのにねぇ。じゃあもう少し刺激を加えてみようかしら」
エクレールはそう言うと今度は羽根らしきものを取り出してアニータの両足裏にひらひらと這わせてきた。
「ッ………!」
右足裏では中央で羽が上へ下へと往復を繰り返しその度に土踏まずを掠めたりした。
左足裏では土踏まずを避けて円を描き、時たま何の前触れもなく土踏まずに飛びついてきた。
「ッ………!、ッッ………!」
アニータに動揺の表情が見え隠れしだした。だがそれでも両足指を力強く曲げながらなんとか堪えて耐え続けた。
ふと砂時計を見ると砂はもう半分程落ちていた。
(残りあと半分……!勝てる……!)
「なかなか我慢強くなったのねぇ、少し本腰を入れなきゃいけなさそうね…」
エクレールは指をパチン!と鳴らした。するとアニータの全ての両足指がピーンと張られた状態になった。
「!!?」
「足指を曲げられたらアニータちゃんの綺麗な足裏が皺だらけになっちゃうじゃない…そんなことしたらだ~め♪」
アニータは必死で両足指を曲げようとしたがびくともしなかった。恐らく何らかの魔術を使ったものと思われるが…。
そんなことを考えていると今度は更に…
プシャー!!
「!!」
いきなりガスを吹きかけられた。
「肌の感度を上げるお薬よ❤」
「………。」
(ふざけた真似を……!)
そう思いながらも何も言わずにいた。すると、最初と全く内容の同じ責めが来た…と思いきやその責めと速度と強さが最初のものから格段に上がっていた。更に足指の付け根や土踏まずに指が来る頻度も高くなっていた。
「ウッ………!、クッ………!」
流石のアニータもこれには大分堪えたようで、苦悶の表情を浮かべだし、顔を真っ赤にして全身に力を籠めだした。そうでもしないと耐えられないという証拠であった。
エクレールの指が足指の付け根をなぞり、母指球をゆっくり引っ掻き、土踏まずを穿る度にアニータの我慢と精神は少しずつすり減らされていく。しばらく耐えていると今度はどこからともなく2匹の山羊がやってきて……
「こんなに足裏に汗かいちゃってぇ~♪じゃあ今度は山羊さん達にその汗まみれになっちゃった足裏を綺麗になるまできっちり舐め回して貰おうね~♪アニータちゅわぁぁぁ~ん♪」
「…………!!!!」
アニータは一瞬青ざめ、目の色を失った。だがふと砂時計を見やると残った砂はあと3分の1ほどだった。それを見た彼女は気力を取り戻し、
(耐えきってやる……!ここまで来たら何が何でもッ……!来るならさっさと来いッ!! )
目に光が戻った彼女はエクレールを無言で睨みつけた。
「ほぅ…なかなか我慢強いお嬢様なこって」
「腐っても名家の娘…侮り難い」
劉と明も少し感心しているようだった。
しばらくするとエクレールはどこからともなく蜂蜜と刷毛を取り出しアニータの両足裏にまんべんなく塗りたくった。
「ウゥッ………!、クゥッ………!」
それだけでも大分堪えたがこれは飽くまで下拵え。これからアニータを襲う地獄に比べたら何でもなかった。2匹の山羊がアニータの足裏のそばに来てアニータの足裏を嗅ぎ出した時、アニータは精一杯歯を食いしばった。そして…
ピチャッ…クチュッ……
ついに山羊の舌がアニータの無防備で柔らかな両足裏を抉(えぐ)った。
「グゥッ……!!」
山羊はアニータの両足裏を熱心に舐め始めた。それぞれ1体ずつ、滑らかな舌が常に彼女の柔らかく敏感な足の裏に触れるように余すことなくアニータの足裏をいじくり回した。踵から土踏まず、土踏まずの外側、足指の付け根から足指まで余すことなく山羊たちはアニータの足裏の肉の味を満喫した。
「グウウゥゥゥ……!!グギギギィィィッ……!!」
一気にアニータの顔が苦悶に満ちた表情に変わり、それと同時に息も大分断続的になった。
それぞれ1体ずつ、滑らかな舌が彼女の柔らかく敏感な足裏に常に弄り回し、荒らしている。1~2分と経たないうちに、彼女の顔は汗だらけになり、頬は真っ赤になり、歯はひびが入るんじゃないかというほどにギチギチと鳴り始め、涎が溢れだし、彼女の足裏は皺だらけになった。
「随分苦しそうねぇアニータちゃ~ん♪ 耐える必要なんてないのよ? ここで口を開けて笑ったらくすぐりを止めてあげてもいいのよぉ~?」
そう言いながらエクレールは蜂蜜が塗られた刷毛を使ってベチャベチャと彼女の足裏に余すことなく更に蜂蜜を塗りたくった。その瞬間、大量の電流が走ったかのような衝撃が彼女の体を襲ったが、どうにか堪えていた。
(地獄に…落ちろ……クソ女が……!!)
そう思いながらもアニータは反応しなかった。反応する余裕が全くなかった。彼女の足の裏はすでに山羊の唾液と汗でいっぱいになっており、山羊が彼女の柔らかい両足裏を舐め回せば舐め回す程、両足裏の感度は上がっていく。エクレールの刷毛と山羊の舌が両足裏を弄り回す度に大量の電流が流れるような衝撃が体中に何度も駆け巡る。砂時計の残り時間は最初の6分の1ほどになっていたのだが目を強く瞑り、汗と涙だらけになり、顔中が真っ赤になり、全身全霊の力を振り絞って歯を食いしばり体中が熱(ほて)って息も絶え絶えになりながらも、山羊の舌の足裏舐めとエクレールの刷毛の足裏責めに必死に耐えているアニータには知る由もなかった。
(あと……いつまで………耐えなきゃ……いけないの…? バーニー……みんな……助けて………!)
この悪夢のような瞬間が彼女には永遠に続くかのように思えて仕方なかった。山羊の舌が土踏まずや指の付け根などをほじくり回す度、エクレールの刷毛が彼女の両足裏にまんべんなく蜂蜜を塗りたくる度、頭を激しくのけぞらせ、気絶するかしないかの境目かつ酸欠になりかけながら耐え続けるアニータの心にビキビキと罅が入り始める。刷毛と山羊の舌は急速かつ確実に彼女の気力と精神力、そして体力を奪っていた。それでも死力を尽くして目をつぶって涎と汗をボロボロと零し続け、強烈な尿意を覚えながらもどうにか耐え続けていた。しかし…
(もう……限界……!耐えられ……ない……!! ごめんね……みん……な……)
砂時計が残り1分を切ろうとしたその時、ついに精神と我慢、体力が限界を迎えてしまい……
「ぎぃえぇぇあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛はっはははばひゃっひゃっひゃっひゃひゃ!!!!」
アニータは大口を上げて大笑いしてしまった。その様子を見たエクレールは
「はいはいざんねんでしたぁ~♪ ゲームオーバーでちゅよ~アニータちゅわあぁぁぁ~ん❤」
と満面の笑みを浮かべウッキウキの表情で宣言した。その瞬間山羊は舌を足裏に這わせるのを止めた。
「いやぁ本当に残念だったな」
「あと一分という所で吹き出してしまいましたか…残念」
劉と明がそう話したがアニータには聞こえていなかった。どの道、負けてしまった事に変わりはないからであり、ようやく体中を走る激しい電流から解放された事にたいする安堵こそあったが、仲間を見捨ててしまった絶望と恥辱は耐えがたく頭がおかしくなりそうであった。
「ごほッ…ゲホッ…ゲホッ!!……ハァ……ハァ……!」
気づくとアニータは失禁していた。だがそれももうどうでもいい事だった。彼女の願いはただ一つ、体中を蝕む苦しみから解放される事であった。もう仲間の事などどうでもよかったのだ。恥辱からも絶望からも苦しみからもただ逃げたかった。が、しかし…
「それじゃあ、ここから更にさらにぃ~行きますよ~♪」
「ゼェ……ゼェ……!え…?」
「止めてあげる、とは言ったわよ でもいつまで止めてあげるかは言ってないわよね? それにアニータちゃん仲間を見捨てる悪い子になっちゃったからお仕置きしないといけないわよねぇ~?」
「あ……あぁ……嫌ぁ……嫌ぁぁ!………もういやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!やだやだやだぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁあッ!!!足裏もういやだああああああああああ!!!!! もう許してええええええ!!! 誰か助けてえええええええええええええッ!!!!!」
絶望と恐怖の表情を浮かべ、大粒の涙と汗を零しながらアニータはエクレ―ルに子供じみた叫び声を上げて懇願した。彼女はもはや気高い騎士などではなく、只のか弱い一人の女の子でしかなかった…。が、
「悲しいわぁ…アニータちゃんそんな酷い事言うようになっちゃうなんてぇ…さっきまでの仲間想いの愛しいアニータちゃんはもういないのね……だったらもう容赦する必要もないわね、これから何度も絶頂させてそんなわる~いアニータちゃんを壊してあ・げ・る・わ・ね?」
エクレールは何処までも非情であった。そう言い終わるやいなや山羊がアニータの足裏を再び激しく舐め回し始めた…!
「うぎぃぃぃえええええぇぇぇあああぁぁぁぁぁぁぁっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁぁ~~はっはははひゃひゃひゃひゃひゃひゃははひゃひゃひゃひゃ!!!」
アニータはあまりのくすぐったさに身を激しくよじり、命を削りながら失禁し狂ったかのように凄まじい叫び声を上げた。しばらくすると徐々にそのくすぐったさは足裏を走る激痛に変わり始めた。彼女の体中を激痛が駆け巡る!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁぁ~~はっはははひゃひゃひゃひゃひゃひゃははひゃひゃひあ゛あ゛あ゛あ゛イダイイダイイダイイダイイダイイィィィィィ!!!!」
「ついに来たようね、激痛。山羊の舌はざらついてるからねぇ~、足裏を舐められ続けると皮膚が傷ついて血が出てその血も激しく舐めちゃうからそうすると徐々に肉が削げていくらしいわよぉ~?楽しみだわ…悪いアニータちゃんがどんどん壊れていくのは…!」
「あ゛あ゛あ゛イダイイダイイダイイダイイダイギィエアアアアァァァァァァァァァァァァアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァ………」
そして再び山羊達が足裏を舐め回し始めてから数時間後、アニータは苦しみ悶えながら足裏からの出血多量で意識を失い、ついにアニータは死んだ。
「いかがでしたか?なかなか見応えのある最期だったでしょう?」
アニータが死んだ様子を見たエクレールは劉と明にそう言った。その様子を見た劉と明は、
「たかが二匹の山羊がまさかこうも人間を壊しちまうなんてなぁ…いやぁ勉強になったよ、面白えもん見せてくれてありがとな、キスリングの隊長さんよ」
「誇り高き精神もくすぐりに掛かれば呆気なく壊れてしまうとは…山羊責めとはなんとも恐ろしい拷問ですね」
その後、エクレールは顔色一つ変えずに死体になったアニータに近づき腕を縛っていた鎖を外し、両足首と膝を縛っていた紐も解いた。絶望と苦悶と笑顔が入り混じった歪な表情を浮かべ血塗れになって肉が削げた足裏から血が滴り落ち、青い瞳孔が散大した死体を肩に担ぐと劉と明に向き直って、
「代金代わりといってはなんですがこの部屋の後始末をしていただけますか?私はこれを死体遺棄場に捨ててきますので」
「いいでしょう…明生、後始末の手伝いを」
「なっ…団長が了承しておいてそれはないでしょう!?」
「私は次の契約者との取引で忙しくてあまり時間もないのですよ、それでは」
「あっ、ちょっと!!…結局俺がやんのかよ…まぁたまにはいいか、いいもん見せてもらったしな」
そう言うと、明生は血と汗で汚れた長座椅子を部屋にあった布巾を使って拭き始めた。
———死体遺棄場にて———
「ここでいいかしら」
そう言うとエクレールはアニータの死体を放り投げた。
バタッ!
その死体の下にはなんとアニータ同様に歪な表情を浮かべ肉が削げた足裏に瞳孔が散大した女性達の死体が転がっていた。ナタリーとタツヤ、レナリアを除くアニータの仲間達も皆、同じような最期を辿っていたのだ。希望などどこにもなかった………。
「バイバ~イ、アニータちゃーん♪仲間と一緒にあの世で仲良くなさいね♪」
そう言ってエクレールは死体遺棄場を後にした……。
——————BAD END 3「仲間と共に去りぬ」——————