第1話 引っ越すまでの道のりから準備

文字数 1,062文字

私は都心近くの出身です。
夫も同郷です。
私はかなりの年齢になるまで、地元を離れたことがなかったのですが、夫の希望と事情により、関東の郊外に住むことになりました。
そこは自然豊かで、新宿まで(特急なら)あまり時間もかからず、南向きの良い部屋に住めて「条件的にはたいへん良い場所」でした。

でも私にはなぜか異様にトラブルが多く、途中でメンタルが危うくなって、やばかったです……。
働きに行けばいじめられたり、習い事は何度も終わってしまうし、仲良くなった人とは全員疎遠になり、宗教勧誘、病院で誤診される、通行人に三回暴言吐かれた、など。
また、やたら病気にかかり、高熱を何度か出しました。体調不良が続き、悲しい毎日。
……くわしく書き連ねればA4用紙何枚にもなるので、割愛します。
とにかく夫に泣きついて、故郷に戻ることにしました。6年近くの試練でした。
(帰郷を夫が了解するまでの道のりの長かったこと……若干の禍根が……)

人間には「致命的に合わない土地」というものがあるんだと思う。
他の人は普通に住んで生活できるのに、なぜか自分は違ってしまう、魔の地域。
ネットで「合わない 土地」で検索すると、いろいろな体験談が出ますね。
みなさん共通して体調不良になるのが怖かったです。

さて、2020年冬に「じゃあ、引っ越すか」と話がまとまり、明けて2021年2月に、故郷に掘り出し物じゃないか!という物件を見つけました。
駅からは少し遠いけど、築30年で、マンションの2LDK……。
何より驚いたのは賃料です。都会では破格と言えそうな家賃でした。
「事故物件ではない」と保証され、契約しました。

私……もう、嬉しくて!
帰れるんだ、故郷に。
ずっとかみ合わなかった土地から、去ることができるんだ!
実感が湧いてくると、喜びで世界がキラキラに見えてきました。

感じの良い引っ越し業者の方にもお会いし、いろいろ準備が整ってきました!

でも、引っ越し準備はつらかったですね。
泣きながら荷物をまとめたのでした。
いや私……ここで病んだなあって……。
自分を慰めるために買った、膨大な量のメンタル関連の本。メモした名言。自分を鼓舞するための言葉が、ノートやパソコンから発見されて、本当につらかったです。
なんだかこの場所で、トラブルに遭遇する率がやたら高く、そして6年近く住んで、あいさつする程度の知人すらできなかったのが悲惨です。
孤独を望んだわけではないのですが、なぜか、親しくなった人と疎遠にばかりなって、とにかく寂しかった。
そこに重なる体調不良。最後はコロナの影響で、本気で泣きました。
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