丁度いい香りで幸せになりたい

文字数 1,131文字

 子供達の駄菓子に使われている様な香りもまた合成香料ではありますが、香料にはこうした人間を幸せにしてくれる面も有ります。ただ、それらが体に合わないという人達が守られる必要も有ります。しかし、今や家庭用品に含まれる香料は濫用レベルに達しており、必要以上の強烈な香り付けと、安全でないマイクロカプセルに封入する様な危険性を帯びた使い方がされており、このまま濫用が続けば全面規制されても文句が言えなくなるのではないかと危惧しています。

 一方、そんな濃厚な香りの柔軟剤が広まっていたかと思うと、少し前から天然の香り成分を配合しているという製品も、大企業が出すようになりました。
 そこでふと考えたのが、そこら辺の雑草が生え散らかしている耕作放棄地で、香りの元になる植物を育てまくったら、新しいビジネスになるんじゃないのか、と。加えて水耕栽培の様に計画的に育つ植物であれば、土壌が使えない空き地でも植物工場で育てられそうだな、と。
 ビジネスやら経済は詳しくないので適当な物ではありますし、農業もまた農薬などの環境問題で騒ぎが起こる分野ではありますが、言ってしまえば悪辣なレベルの合成香料による香り付けからの方針転換をするのであれば、原料から計画的に調達できる形で、天然原料の香料を作っていくビジネスだろうな、と思ったわけです。香料メーカーが根こそぎ潰れる事は望みません。
 さらに、石鹸の原料であるパームヤシが森林破壊と表裏一体の物であるとすれば、香りの採れる植物もまたしかりですが、あらかじめ計画的に育てて作る分には問題ないでしょうし、何なら米油で石鹸を作るのも無理ではありませんから、そうやってもう一度農業を見直すって言うのが、色々と解決になるんじゃないのかなと考えました。
 まぁ、たわごとですから、深く突っ込まないで下さい。

 ただ、本気でこのまま香料が濫用されたなら、行き着く先にいい事は無いだろうなと思います。それこそ、騒音が原因で近隣住民同士が流血の大惨事という事件はいまだに絶えませんし、強烈な柔軟剤の香りが原因で刃傷沙汰も有り得ない話ではないでしょう。そしてこの国は、人死にでも出ない限り物事が動かない……そうなる前に状況が良くなる事を願います。
 香料の入っていない洗剤でも服は洗えるし、香料が無くても柔軟仕上げをする事はできるのですから、もっとそれが当たり前になって欲しいものです。

 ……本来は人を幸せにしてくれる香料が、人を傷つける様な事は望みません。
 その果てに訪れるかもしれない世界、子供達の駄菓子からも香りが無くなった世界を空想すると、それはとても悲惨です。だからこそ、そうなる前に、人間が幸せでいられるくらいの、丁度いい香料の世界になる事を祈ります。
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