冷える体

文字数 352文字

 
 日中に眠りすぎた夜は目が覚めやすい。当たり前のことだ、しかし彼女にとっては理不尽極まりないことである。その日は風が強かったが家には卵一つもなく、空腹を満たすには出かける他なかった。夜中も営業している近くのカフェには徒歩で15分ほど、歩いていける。外に出ると強風がTシャツを膨らませた。肌寒い、今日はホットコーヒーで決まりだそれにホットサンド、彼女はそう決めていたらしい。しかし結局のところ彼女はホットコーヒーを頼まなかった。その店のコーヒーは美味いしホットサンドとの相性は最高だ、なのに頼まなかった。ここからは僕の推測だが彼女は君とカフェで鉢合わせしたからコーヒーを頼まなかったのだと思う。コーヒーよりオレンジジュースの方が可愛らしいしね。君はそのくらいの自惚れを持ってあげなければ、彼女が不憫だよ。
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