シュトーレンはどこだ

文字数 607文字

 ところでハロウィンの奴はどうした。随分とクリスマス一色の11月1日まだハロウィンでよかろうよと思いながらも赤緑色でデコレーションされたカフェに入る。昨日まで飲んでいたメニューから一新されたメニューを眺めながらぼんやりとあたりを見回す。温暖化の影響で暖かくなった昨今まだダウンを着ている人も珍しい。ホットドリンクが最高と思えないなか頼んだカフェラテを待っていたら店員が話しかけてきた。「シュトーレンはいかがですか。」シュトーレン確かドイツの菓子パンでクリスマスまでの4週間程で少しずつ食べていくものだ。11月の頭に客に勧めるのは気が早かろうと思いつつ、クリスチャンでもないから好きなタイミングで食べてもよかろうと思い1つ注文した。紙袋に入れてもらいカフェラテを受け取り帰路に着く。帰宅してシュトーレンを切ろうと紙袋を開けると出てきたのは真っ赤なポーチ。「はぁ?」シュトーレンはどうしたと中身を出してみるも入っているのはポーチのみ、どういう間違え方だ。ド派手な赤ポーチ使い勝手が悪すぎる、日用雑貨に季節感はいらん。そう思いながらポーチを開けてみると、あんぐり斬新な売り方だ、シュトーレンinポーチ。ポーチの中に一塊の例の菓子が鎮座している。シュトーレンで大体一つ収まる程度のポーチとなっておりますとでも宣伝しているのだろうか。まぁ良いシュトーレンがあるならと納得することにした。今ポーチには文庫本が4冊収まっている。
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