1.ザリガニのつぶやき① 氷川神社探訪記

文字数 1,360文字

 見沼は「御沼」すなわち「神の沼」を表す
 三室は「御室」すなわち「神の棲まう所」を表す

ザリガニのつぶやき◉◉◉
 見沼とその周辺の氷川神社の関係を掘り下げてみようと思いついた発端は、この2023年6月に見沼と周辺の三つの氷川神社に関する、某大学の公開講座を受講したことから始まりました。今はもう見沼田んぼという言葉しか存在しない、畑と果樹の広がる広大な見沼の変遷と、それに関わる時の権力者たちの思惑という、陰の歴史を初めて聞きました。すぐに地元の図書館に行って関連書物を読み、ネットでアップされている様々な情報も集めました。
 次に、フィールドワークの手始めとして、車で三つの氷川神社を訪ねることにしました。沼としては下流の川口方面からスタートし、最初の氷川女體神社を目指しました。近づくにつれ、「何と坂道の多いことか」が第一印象でした。いきなり下る、だらだらと下る、上っては下るの繰り返しで女體神社の裾にある見沼氷川公園の駐車場に着きました。
 小高い丘に鳥居と一直線に続く階段があり、一目で神社と分かる景色です。公園を回り込んで歩いて行くと池があり、蓮と鯉がいます。その奧にさらにこんもりとした林があり木々の隙間から池が見えます。さらに歩いて神社の入り口から振り返ると、「磐船祭祭祀遺跡」とあり、しゃもじ状の出島を池が囲み、参道が奧に延びています。突き当たりの広場が祭祀場になっています。

(写真:氷川女體神社 出典 さいたま観光国際協会)


 さて、「武蔵国一宮」と扁額のあがった鳥居をくぐり、本殿に続く階段を上っていくと荘厳な女體神社境内に入ります。静謐な雰囲気の漂う本殿と周りに点在する摂末社が歴史の重みを感じさせます。外周を回って歩いていくと、細い道を一本隔てて民家が並んでいました。
 次に中山神社を目指しました。坂を下り、ここがかつての沼の最深部と思われる芝川を渡り、今度は坂を上って、中山神社の駐車場に着きました。

(写真:中山神社(中氷川神社) 出典 Wikipedia)


 正面本殿の奧に囲われている旧い本殿と、火の神事を司った「御火塚」、入り口右手の独立した荒脛神社(あらはばきじんじゃ)が印象的でした。こじんまりとした、落ちついた雰囲気の神社で人びとの生活の中に溶けこんでいる優しさが感じられました。
 帰ろうとして第二産業道路を右折しようとしたとき、道路を横断する向こう岸にまっすぐ延びる道があり、鳥居が見えました。中山神社の参道はまだずっと先まで続いているらしいので、帰宅後調べた結果、やはり参道が続いていたことが分かりました。
 最後に大宮の氷川神社に行きました。神社の横にあるサッカー場の駐車場から入ると、いきなり以前の地元の氏神様といわれる「門客人神社」という摂社がありました。本殿広場も参道もいかにも「武蔵国一宮」といわれる広さと立派な造りでした。

(写真:蛇の池 出典 武蔵一宮氷川神社公式note)


 本殿の奧に隠れるように「蛇の池」があり、池から流れ出る湧水が神社の神池を通じ、見沼の水源の一つであったと思わせます。
 あまり賑やかな所は苦手なので参道を二ノ鳥居まで行って引き返しました。
                                  ぶくぶくぶく◉◉◉

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