第4話 北野武とアイナ・ジ・エンド in the kitchen
文字数 874文字
「熱 いなバカヤロウ!」
マグカップから口を離した俺は叫んだ。思わず俺の中の北野武が顔を出してしまった。
熱いのは当然だ。
何せ、さっき湧かしたばかりの沸騰したての白湯なのだから。適度な時間を空けて冷まさなければいけないのに。
こんなところにも寝不足の影響が如実に表れてしまっている。あらゆる思考能力が普段より劣ってしまっている。
全く、よろしくない。
マグカップを置いた俺はもう一度「熱いなバカヤロウ」と先ほどよりも意識して北野武に寄せて言ってみた。
そしてそう言い終えた瞬間、唐突に俺はあることに気付いた。
「熱いなバカヤロウ」と「「アイナ・ジ・エンド」って何か語感似てないか?ということに。
とんでもない発見をしてしまった、と15秒ほど心が躍ったが冷静に考えるとだから何?という話だし、さらに15秒経つと「そもそもそんなに似てねえよ」という思いがじんわりと俺の頭の中を満たしていく。俺は小さく首を振った。
バカなことを考えるのはやめよう。白湯が飲みやすい適温になるまでの間、もっと有意義なことを考えるとしよう。
例えば…そう例えば…今日何するかを考えよう。今日一日は長い。なんたってまだ朝の7時前なのだ。休日のこの時間から活動できるという事実は俺に得も知れぬ全能感を与えてくれるようだ。
そうだ、古着屋巡りでもしようか…。俺には何カ所か行きつけの古着屋があり定期的にそこを巡る、という実用性を兼ねたささやかな趣味がある。そう言えばここ数日その中のいくかのお店がセールをやっているというお知らせをSNSで見かけた気がする。
よし、これからに備えて春物でも探しに行くか。
俺は今日初めて前向きな気持ちになったがすぐにそんな気持ちは霧散した。そう、俺は思い出してしまったのだ。今月すでに中古のブーツ(2万5000円)と新作のスニーカー(1万5000円)を買ってしまっていて自由に使えるお金がほとんどない、ということに。
ダメじゃねえか。
ここ数分の思考が無駄になったがその数分のおかげで白湯は適温になったので俺はカップの中の白湯を数回に分けて飲み干した。
マグカップから口を離した俺は叫んだ。思わず俺の中の北野武が顔を出してしまった。
熱いのは当然だ。
何せ、さっき湧かしたばかりの沸騰したての白湯なのだから。適度な時間を空けて冷まさなければいけないのに。
こんなところにも寝不足の影響が如実に表れてしまっている。あらゆる思考能力が普段より劣ってしまっている。
全く、よろしくない。
マグカップを置いた俺はもう一度「熱いなバカヤロウ」と先ほどよりも意識して北野武に寄せて言ってみた。
そしてそう言い終えた瞬間、唐突に俺はあることに気付いた。
「熱いなバカヤロウ」と「「アイナ・ジ・エンド」って何か語感似てないか?ということに。
とんでもない発見をしてしまった、と15秒ほど心が躍ったが冷静に考えるとだから何?という話だし、さらに15秒経つと「そもそもそんなに似てねえよ」という思いがじんわりと俺の頭の中を満たしていく。俺は小さく首を振った。
バカなことを考えるのはやめよう。白湯が飲みやすい適温になるまでの間、もっと有意義なことを考えるとしよう。
例えば…そう例えば…今日何するかを考えよう。今日一日は長い。なんたってまだ朝の7時前なのだ。休日のこの時間から活動できるという事実は俺に得も知れぬ全能感を与えてくれるようだ。
そうだ、古着屋巡りでもしようか…。俺には何カ所か行きつけの古着屋があり定期的にそこを巡る、という実用性を兼ねたささやかな趣味がある。そう言えばここ数日その中のいくかのお店がセールをやっているというお知らせをSNSで見かけた気がする。
よし、これからに備えて春物でも探しに行くか。
俺は今日初めて前向きな気持ちになったがすぐにそんな気持ちは霧散した。そう、俺は思い出してしまったのだ。今月すでに中古のブーツ(2万5000円)と新作のスニーカー(1万5000円)を買ってしまっていて自由に使えるお金がほとんどない、ということに。
ダメじゃねえか。
ここ数分の思考が無駄になったがその数分のおかげで白湯は適温になったので俺はカップの中の白湯を数回に分けて飲み干した。