第22話-     禁じられた書物

文字数 145文字

書斎には鍵のかかった本棚がある。

「貴重な本をお持ちと伺い是非拝見したい」と著名な古書研究者から頼まれた。
父は「読みに参られると宜しいでしょう」と彼等を書斎に招き、満足げに帰るのを暗い目で見送った。

後日その男の急死が報道された。

父は「黄泉に参られると宜しい」と言ったのだった。
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