余剰と空白の机

文字数 321文字

菊の花と安菓子で計られる人生

余剰と空白を揺蕩う
0か100の世界を
あなたは否応なく行き来する
余剰と空白から解脱する
その一歩は容易い
 
机の上
あなたは嬉しかった
何も置かれていないこと
しかし刹那あなたは気がつく
哀しかった
何も置かれていないこと

あの日の教室
供花が光を放ち
あなたの瞳を射抜いた
清廉でグロテスクな白い菊の花
あの日のあなた
存在はするが存在はしていない
揺れるスカートたちは嗤い

令和の労働場所
皆に配られる15個入り250円の安菓子 
あなたの机にだけ置いていない
空白があなたを蝕む
令和のあなた
存在はするが存在はしていない
労働用の制服はきつい

菊の花と安菓子で計られる人生

余剰と空白を揺蕩う
机を取り払って
存在はしていないが存在はする
その一歩は困難ですか
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