第1話  出会い

文字数 252文字

君と出逢った日も、こんな風に雨模様だった。

君は真っ黒い小さな体を震わせ、小さな小さな段ボール箱の中にいた。

僕の顔を見上げ懸命に助けを求める
円らな瞳。

琥珀色の瞳の中に、この世界は、僕はどんな風に写っていたのだろう?

僕は迷うことなく君の体を抱き上げ、着ていたカーディガンの胸に抱いた。

小さな体は、人恋しさ故か、温もりを求め僕を懸命に求める。薄いシャツの上から爪を立て、離さないでと泣いているかのよに‥。

その日から僕と君の

一人と一匹の

長い時間の旅が始まった。
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