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鈴生りの頭
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前のエピソードへ「爛熟」
耀き
文字数 162文字
間も無く、私が降車する駅が近付いてきた。
「次の駅で、降りますので……。指輪を渡せて、良かったですね」
こう言って会釈すると、青年も会釈を返してきた。彼は満足げであった。自身が直面した不思議で嬉しい出来事を、他人が認めたからであろうと私は推測した。
ホームから電車を覗くと、青年は左手を見つめている。照明が、薬指を光らせた。
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鈴生りの頭
蔦永良
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